プリオン病に対する診断・治療技術開発に関する研究

文献情報

文献番号
200731058A
報告書区分
総括
研究課題名
プリオン病に対する診断・治療技術開発に関する研究
課題番号
H19-難治-一般-006
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
堂浦 克美(東北大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 坪井 義夫(福岡大学 医学部)
  • 志賀 裕正(宮城病院)
  • 片岡 泰文(福岡大学 薬学部)
  • 佐々木 健介(九州大学 大学院医学研究院)
  • 工藤 幸司(東北大学 先進医工学研究機構)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
28,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
多数の後天性プリオン病の発生や発病リスク保因者の存在を背景に、実効性のある予防治療法開発及び診断法開発を行うことが目的である。
研究方法
現行の実験的治療法の改良の可能性検討と多剤併用療法実施に向けてのパイロット試験を含む環境整備、新たな予防治療薬の臨床応用の可能性検討と治療化合物の開発、さらに新たな病勢診断技術の有用性検討と新規新断薬の開発について研究を進めた。
結果と考察
現行の治療手段の改善と新たな治療手段の整備については、ペントサンポリサルフェート脳室内持続投与法の有効性や安全性に影響する宿主要因の分析、海外で実施中の治験の調査分析、シンバスタチン・ミノサイクリン併用療法のパイロット試験、治療効果判定のための病理学的・蛋白生化学的な定量的解析法の標準化、針刺し等事故時の発症予防処置に関する考察を行い、各研究課題において地道にエビデンスを積み上げた。
新規治療候補薬の実用化準備とリード化合物の展開研究については、優れた治療予防薬候補である化合物の安全性試験、経口投与で効くアミロイド親和性化合物CompBのプリオン株依存的治療効果の分析、抗プリオン活性を発揮する生薬の探索、治療薬開発の新たな標的となる受容体関連蛋白についての解析、プリオン蛋白代謝および異常型プリオン蛋白産生へのヒートショック蛋白質の関与解析、治療候補化合物GN8およびsiRNA の最適化を行った。これらの研究課題の代表的成果として、治療予防薬候補化合物の安全性が確認でき臨床応用に一歩近づいた。
新規画像診断技術の評価と次世代診断薬の開発については、[11C]BF-227によるPETプローブの探索的臨床研究、より臨床有用性の高い[18F]標識PETプローブの探索、近赤外線蛍光プローブの探索を行った。[18F]FACTの発見や近赤外線蛍光プローブの基本化学構造の発見などに大きな成果があった。
結論
実効性のあるプリオン病の予防治療法の開発及び診断法の開発に関する研究を行い、新規治療予防薬や新規画像診断プローブの研究などにおいて実用化が見込める成果があった。

公開日・更新日

公開日
2008-04-11
更新日
-