難治性疾患に関する有効な治療法選択等のための情報収集体制の構築に関する研究

文献情報

文献番号
200731048A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性疾患に関する有効な治療法選択等のための情報収集体制の構築に関する研究
課題番号
H18-難治-一般-002
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
工藤 翔二(日本医科大学内科学講座呼吸器・感染・腫瘍部門)
研究分担者(所属機関)
  • 永井 正規(埼玉医科大学医学部公衆衛生学・疫学)
  • 宮坂 信之(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科膠原病・リウマチ内科学分野)
  • 木内 貴弘(東京大学医学部附属病院大学病院医療情報ネットワーク研究センター)
  • 名川 弘一(東京大学腫瘍外科)
  • 針谷 正祥(東京医科歯科大学大学医歯学総合研究科薬害監視学)
  • 伊藤 高司(日本医科大学情報科学センター)
  • 吾妻 安良太(日本医科大学内科学講座呼吸器・感染・腫瘍内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
19,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
根本的な治療法が確立しておらず、かつ後遺症を残すおそれが少なくない自己免疫疾患や神経疾患等の不可逆的変性を来す難治性疾患に対して、重点的・効率的に研究を行うことにより進行の阻止、機能回復・再生を目指した画期的な診断・治療法の開発を行い、患者のQOLの向上を図ることを目的として展開されてきた。その結果、難治性疾患の診断・治療等臨床に係る科学的根拠を集積・分析し、医療に役立てられており、また、重点研究等により見いだされた治療方法等を臨床調査研究において実用化につなげる等治療法の開発といった点において画期的な成果を得ている。このように、難治性疾患の対象である123疾患については、近年の医学研究の進歩等によってその予後は改善しつつあるが、その一方で、疾病に関するデータの収集及び疾患横断的な治療効果の客観的・定量的な評価が十分だとは言い難い。
このため、今後全ての難治性疾患についてデータベースを作成し、難治性疾患患者の予後等の実態の客観的・定量的な把握をし、体系的かつ組織的に行う治療の有効性等の評価を行うことにより、難治性疾患患者への適切な医療の提供等が可能になり、今後の難病医療行政にも大きく貢献すると考えられる。
研究方法
1.難治性疾患定点観測体制の構築に向けた検討
実際に稼動している難治性疾患およびその他の登録システムのヒアリング(調査票を郵送)をし、各システムの運用・セキュリティー・コスト等の項目の比較検討を行なった。

2.難治性疾患定点観測のデータフォーマットの検討
難治性疾患についての疾患横断的な治療効果の評価項目(ADL/QOLおよび重症度)の指標について検討を行なった。

3.定点観測データの収集
ある1施設において1か月間に来院した(入院も含む)難治性疾患患者数の集計を行った。
結果と考察
1.難治性疾患定点観測体制の構築に向けた検討に関して、123疾患(39臨床班)の班長宛に調査票を郵送し、現状の調査を行なったところ、38の臨床班から回答を得ることができた。

2.難治性疾患定点観測のデータフォーマットの検討に関して、共通項目に加え、各班で必要な情報を加え、基礎データの収集が必要なことを確認した。

3.定点観測データの1モデルとして、難治性疾患患者数の集計を行なった。集計データについて、疾患の重複や、診断の精度等、収集するための課題があることがわかった。
結論
各臨床班の難治性疾患登録システムの状況調査を行い、現状把握を行なうことができた。これをふまえ、次年度は定点観測での登録システムを作成し、難治性疾患の情報収集を行っていきたい。

公開日・更新日

公開日
2008-04-11
更新日
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