効果的な骨粗鬆症予防対策の実施方法に関する研究

文献情報

文献番号
199700380A
報告書区分
総括
研究課題名
効果的な骨粗鬆症予防対策の実施方法に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
伊木 雅之(近畿大学医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 山縣然太朗(山梨医科大学医学部)
  • 梶田悦子(富山医科薬科大学医学部)
  • 西野治身(富山県衛生研究所)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 健康増進研究事業
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
-
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
骨粗鬆症を効果的に予防するために、各ライフステージのどの段階でどのような対策をとることが有効であるかを明らかにする。
研究方法
最大骨量をできるだけ高める要因を明らかにするために、全国に分布する2市5町から最大骨量期にあると考えられる25~44歳の女性を5歳階級別に各50人、1地域200人、全体で1400人を無作為抽出し、DXAによる腰椎正面、大腿骨近位部、橈尺骨遠位部の骨密度(BMD[g/cm2]) 測定、身体計測、握力測定、既往歴、家族歴、Lifestyle 等に関する聞き取り、食品群別摂取頻度の聞き取りに基づくCa摂取量調査等を行った。閉経後骨量減少を小さくとどめる対策を明らかにするために、閉経後女性99人の腰椎骨密度を4年間追跡し、骨量減少とライフスタイル要因との関連を検討した。遺伝子解析を予防医学的に利用するために、地域在住女性108人につき、Vitamin D受容体とEstrogen受容体遺伝子多型を決定し、その腰椎骨密度への影響をLifestyle要因との関連の中から検討した。骨代謝指標による骨量減少のHigh risk groupのscreeingの可能性を検討するために、中高年女性138人の腰椎骨密度と骨代謝マーカーを4年間追跡した。
結果と考察
最大骨量に影響する要因は、小学校から中学校での給食で出された牛乳をいつも飲んでいたこと、中学校時代に運動部に所属していたこと、現在も運動習慣があること、現在も牛乳摂取習慣があること、握力が強いこと、などでった。閉経後の骨量減少が大きいのは閉経後5年間であり、この時期、及びその前に対策を講ずることが重要であること、閉経時年齢が若い者と骨折の家族歴を有する者はHigh riskであること、Lifestyle上は喫煙しないことと牛乳を定期的に摂取することが重要であること等が明らかとなった。制限酵素Bsm Iによって決定されるVitamin D受容体遺伝子のある型と制限酵素Xba Iによって決定されるEstrogen受容体遺伝子のある型が骨量に有意な影響を持つことが明らかになり、特に前者はCa摂取とinteractしており、遺伝子型によってLifestyle改善の骨量への影響の様相が異なる可能性が示唆された。骨型ALPはBaselineでの骨密度と強く相関し、尿中DeoxyprydinolineとHydroxyproline濃度が測定後2年間の骨密度減少率と有意な相関を示し、これらの測定により2年後の骨量を予測できることが示された。これにより、急速に骨量を失う骨粗鬆症のhigh risk groupが大きく骨量を失ってしまう前段階でscreeningできる可能性が示唆された。
結論
効果的な骨粗鬆症の第1次予防策として、小中学校生に対する牛乳飲用と中学高校生に対する運動部所属を奨励し、牛乳飲用習慣と運動習慣を成人期まで維持できるよう指導すること、閉経期には禁煙と牛乳の習慣的な摂取を実現することが重要であることが示され、さらに遺伝子多型による遺伝的負荷の客観的な評価と骨代謝指標による将来の骨量減少の予測も十分に利用の可能性があり、今後のさらなる検討が望まれた。

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