地域における一般診療科と精神科の連携によるうつ病患者/自殺ハイリスク者の発見と支援

文献情報

文献番号
200730074A
報告書区分
総括
研究課題名
地域における一般診療科と精神科の連携によるうつ病患者/自殺ハイリスク者の発見と支援
課題番号
H19-こころ-若手-026
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
稲垣 正俊(国立精神・神経センター精神保健研究所 精神保健計画部)
研究分担者(所属機関)
  • 石蔵 文信(大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻医療技術科学分野機能診断科学講座)
  • 三島 和夫(国立精神・神経センター精神保健研究所 精神生理部)
  • 山田 光彦(国立精神・神経センター精神保健研究所 老人精神保健部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、我が国においてうつ病患者/自殺ハイリスク者の発見と支援を目指し、一般診療科医師によるうつ病患者/自殺ハイリスク者の同定と治療導入のためのモデルを提唱することを目的とする。その目的のために、一般市民、一般診療科医師に対する啓発、一般診療科医師に対する教育介入プログラムの作成とその評価法の確立、スクリーニング手法の確立、一般診療科医師と精神科の連携の障害要因の抽出と連携モデルの提唱を行う。
研究方法
本年度はDepression Attitude Questionnaire(DAQ)英語版を精神保健や自殺対策の専門家により日本語訳し、Back-translationした英語版を元に作成した日本語版と英語版との間で内容が異なっていないことを原著者と検討した。うつ病のスクリーニング項目として不眠症状を用いることの妥当性を文献の系統レビューにより検討した。一般診療科医師に対するうつ病の同定と治療導入に関する教育介入効果の文献的考察を行った。
結果と考察
DAQ日本語版が作成された。不眠症状がスクリーニングに有効で、特に悪夢が自殺予防に活用できる可能性が示唆された。一般診療科医師に対するうつ病の同定と治療導入に関する教育介入単独では効果がなく、医師の行動変容を促す対策を複合的に行う必要性が示された。引き続き、DAQの妥当性の検討、教育介入法の検討、一般診療科と精神科の認識の共通点と相違点を考慮した連携モデルの構築を今後行っていく。
結論
一般診療科医師によりうつ病を同定し治療に導入することにより自殺ハイリスク者を支援につなげるためには多くの障害が存在し、これら障害の詳細な検討と複合的に組み合わせた対策の必要性が示された。

公開日・更新日

公開日
2008-04-04
更新日
-