心理学的剖検データベースを活用した自殺の原因分析に関する研究

文献情報

文献番号
200730055A
報告書区分
総括
研究課題名
心理学的剖検データベースを活用した自殺の原因分析に関する研究
課題番号
H19-こころ-一般-007
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
加我 牧子(国立精神・神経センター精神保健研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 竹島 正(国立精神・神経センター精神保健研究所)
  • 高橋 祥友(防衛医科大学校)
  • 平山 正実(聖学院大学大学院人間福祉学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
31,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
研究班初年度にあたる今年度は、17年度フィージビリティスタディおよび18年度パイロットスタディの成果と実績を踏まえ、心理学的剖検の手法による調査を全国実施するために必要な体制整備を行うことを目的とした。
研究方法
心理学的剖検を全国実施するには、以下の3点について準備をする必要があった。第一に、遺族ケアやプライバシー保護といった倫理的問題に十分に配慮しながら、同時に、具体的な自殺予防対策に資するだけの科学性を持った研究計画を立てることである。第二に、18年度パイロットスタディで用いた面接調査票に改訂を加え、より実施しやすく、しかも信頼性の高いデータを収集できる内容とすることである。そして最後に、心理学的剖検に従事する調査員に求められる知識と技術を提供しうるトレーニング内容を計画し、研修会を実施しすることである。今年度研究では、これらの問題に関して自殺予防、疫学研究、および精神保健の専門家、ならびに行政職員・地域保健従事者等との意見交換を重ねながら、調査実施体制の整備を進めた。
結果と考察
心理学的剖検の全国実施にあたっては、地域における遺族ケアを重視した、現時点で実施可能性の高い研究計画をもって臨むこととし、その研究計画について倫理委員会の承認を得た。また、18年度パイロットスタディで調査に当たった者の意見、19年度「自殺予防と遺族支援のための基礎調査」の調査員トレーニング等で明らかになった問題点をふまえた調査票の改訂を行い、本研究に使用する面接調査票を確定した。さらに、遺族ケアの知識・技術の習得および調査の信頼性確保のための面接技術の習得に十分なトレーニングを計画し、2回の調査員研修会を開催した。研修会には、全国61都道府県・政令市から延べ150名の参加があり、そのうち46地域に主調査員の資格を有する者が配置され、調査センターと連携をとりながら調査に伴う遺族ケア体制の構築および調査体制の整備を行った。
結論
今年度、調査票、調査員トレーニング、調査実施体制の整備など、20年度に向けて「自殺予防と遺族支援のための基礎調査」の実施準備を完了することができた。今後は、調査センターが本調査の意義について計画的な広報活動、ならびに各自治体への調査支援を行いながら、次年度以降の本格的な全国調査を推進していく必要があると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2008-06-06
更新日
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