精神保健医療福祉の改革ビジョンの成果に関する研究

文献情報

文献番号
200730029A
報告書区分
総括
研究課題名
精神保健医療福祉の改革ビジョンの成果に関する研究
課題番号
H18-こころ-一般-007
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
竹島 正(国立精神・神経センター精神保健研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 白石 弘巳(東洋大学ライフデザイン学部)
  • 山下 俊幸(京都市こころの健康増進センター)
  • 中澤 誠(財団法人脳神経疾患研究所附属総合南東北病院小児・生涯心臓疾患研究所)
  • 野中 猛(日本福祉大学社会福祉学部保健福祉学科)
  • 千葉 潜(青南病院)
  • 立森 久照(国立精神・神経センター精神保健研究所)
  • 樹神 學(こだまホスピタル)
  • 須藤浩一郎(土佐病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成16年9月に厚生労働省精神保健福祉対策本部がまとめた報告書「精神保健医療福祉の改革ビジョン」における3つの柱である「国民の理解の深化」「精神医療の改革」「地域生活支援の強化」の改革を推し進め、精神障害者の地域移行を推し進めていく精神保健福祉行政に資するためのフォローアップ研究を行い、根拠に基づいた改革の実現を図ることを目的とした。
研究方法
「精神医療の改革」については、精神保健福祉資料(通称「630調査」)の解析を行い、患者の動向分析等を行った。また、若年性認知症の患者の実態の分析や、認知症高齢者の入院医療および権利擁護に関する問題の検討、入院形態毎の入退院の実態の解明、630調査の電子化に向けたアンケート調査、精神科デイ・ケアの調査等を行った。「地域生活支援の強化」については自立支援医療の運用実態の解明や自立支援法に基づく福祉サービスの実態の解明を行った。「国民の理解の深化」については、「こころの健康についての国民意識の実態調査」のまとめと結果の公表を行った。
結果と考察
1年以上精神科入院患者の動態についての指標である退院率について検討した結果、数値目標として示されている29%以上を達成するには今後1年以上在院者の退院支援に力をいれる必要があることを明らかにした。入院形態毎の入退院の実態の解明では、入院形態、診断別平均残存率を算出し、その結果、目標値達成のためには、認知症と統合失調症患者の入院期間を短縮する方策をさらに検討することが必要と考えられた。若年性認知症については、4,500人超が精神科に入院していると推察され、うち3,000人程度が適切な入所施設や通所施設の利用で退院可能であることを明らかにした。認知症高齢者については、入院形態の判定についての提言を行った。630調査の電子化に向けたアンケート調査では、電子調査票のニーズが高いことを明らかにした。自立支援に関する研究では、育成医療・更生医療のなかから特に心疾患の外来での診療報酬請求額の実態について調査し、心臓移植後の外来通院における月請求額を明らかにした。精神通院医療については、自立支援医療における支給認定の状況調査等を行い、その結果自立支援利用開始後支給認定がおおむね順調に進捗していることを明らかにした。
結論
本研究では、改革のフォローアップを行い改革の進捗状況を把握するとともに、改革推進に必須となる課題について検討を行った。

公開日・更新日

公開日
2008-06-06
更新日
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