定量的神経画像による線条体疾患の病態解明と治療法開発

文献情報

文献番号
200730020A
報告書区分
総括
研究課題名
定量的神経画像による線条体疾患の病態解明と治療法開発
課題番号
H17-こころ-一般-025
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
飯田 秀博(国立循環器病センター研究所放射線医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 林 拓也(国立循環器病センター研究所放射線医学部 )
  • 渡部 浩司(国立循環器病センター研究所放射線医学部 )
  • 大西 隆(国立精神・神経センター精神保健研究所心身医学研究部)
  • 佐藤博司(国立循環器病センター研究所放射線医学部 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
14,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
多くの精神・神経疾患の病態に関与する線条体の機能・構造は動物脳での知見が主体でヒト脳での解明は進んでいない。本研究は、精度高い非侵襲的定量的神経画像法を切り口として、線条体の機能・線条体疾患の病態解明、非侵襲的診断法開発、新規治療開発を目的とした研究である。具体的には、MRI拡散強調画像法による線条体線維連絡性の解明と病態解明、PETや機能的MRI画像法による線条体機能の解明、定量的画像法を用いた新規治療法開発、を行う。
研究方法
①MRIによる拡散強調画像の撮像法・解析法の高精度化を進める。専用のコイルの開発と解析法の最適化、精度評価を行う。サル脳での侵襲的方法との比較により精度の確認・最適化をおこなう。正常ヒト脳での測定を進める。②一回のPET撮影により複数のモダリティーのドーパミン機能やドーパミン放出能を評価するための動態解析理論を整備する。また線条体の機能異常が知られる薬物依存症において、背側前頭前野がどのような役割を果たすかを機能的MRI画像と経頭蓋磁気刺激法を用いて明らかにする。また、統合失調症やパーキンソン病等の補助治療・リハビリテーションで使われる音楽療法の作用機序の一部を解明するため、機能的MRI画像法により音楽認知に関わる脳機能部位を同定する。③定量的神経画像法により新規治療法を開発するための安定したサル病態モデル作成法・病態評価法を確立する。
結果と考察
MRIの拡散強調画像の撮像法・解析法の高精度化に成功し、サル脳での侵襲的方法との比較により精度の確認・最適化ができた。正常ヒト脳での線条体線維連絡性の特徴がわかり次年度に病態評価が可能な段階にきた。また一回のPET撮影により複数のモダリティーのドーパミン機能やドーパミン放出能を評価する動態解析理論が整備でき、次年度に実際にデータ収集をおこなって精度検証を応用研究を進める段階にきた。機能的MRI画像により、線条体の機能異常が知られる薬物依存症において、背側前頭前野がどのような役割を果たすか、同じく機能的MRI画像法により音楽認知に関わる脳機能部位を明らかにした。定量的神経画像法により新規治療法を開発するための安定したサル病態モデル作成法・病態評価法を確立し新規治療評価の実験を開始した。
結論
MRI拡散強調画像法をもちいた高精度の神経線維追跡法、PETによるドーパミン機能の効率的評価法、線条体疾患の病態、認知機能、線条体疾患病態モデル動物の安定作成と治療法の開発に関して一定の成果が得られた。

公開日・更新日

公開日
2008-06-06
更新日
-

文献情報

文献番号
200730020B
報告書区分
総合
研究課題名
定量的神経画像による線条体疾患の病態解明と治療法開発
課題番号
H17-こころ-一般-025
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
飯田 秀博(国立循環器病センター研究所放射線医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 林 拓也(国立循環器病センター研究所放射線医学部 )
  • 渡部 浩司(国立循環器病センター研究所放射線医学部 )
  • 大西 隆(国立精神・神経センター精神保健研究所心身医学研究部)
  • 佐藤博司(国立循環器病センター研究所放射線医学部 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
多くの精神・神経疾患の病態に関与する線条体の機能・構造は動物脳での知見が主体でヒト脳での解明は進んでいない。本研究は、精度高い非侵襲的定量的神経画像法を切り口として、線条体の機能・線条体疾患の病態解明、非侵襲的診断法開発、新規治療開発を目的とした研究である。具体的には、MRI拡散強調画像法による線条体線維連絡性の解明と病態解明、PETや機能的MRI画像法による線条体機能の解明、定量的画像法を用いた新規治療法開発、を行う。
研究方法
①MRIによる拡散強調画像の撮像法・解析法の高精度化を進める。専用のコイルの開発と解析法の最適化、精度評価を行う。サル脳での侵襲的方法との比較により精度の確認・最適化をおこなう。正常ヒト脳での測定を進める。②一回のPET撮影により複数のモダリティーのドーパミン機能やドーパミン放出能を評価するための動態解析理論を整備する。また線条体の機能異常が知られる薬物依存症において、背側前頭前野がどのような役割を果たすかを機能的MRI画像と経頭蓋磁気刺激法を用いて明らかにする。また、統合失調症やパーキンソン病等の補助治療・リハビリテーションで使われる音楽療法の作用機序の一部を解明するため、機能的MRI画像法により音楽認知に関わる脳機能部位を同定する。③定量的神経画像法により新規治療法を開発するための安定したサル病態モデル作成法・病態評価法を確立する。
結果と考察
MRIの拡散強調画像の撮像法・解析法の高精度化に成功し、サル脳での侵襲的方法との比較により精度の確認・最適化ができた。正常ヒト脳での線条体線維連絡性の特徴がわかり次年度に病態評価が可能な段階にきた。また一回のPET撮影により複数のモダリティーのドーパミン機能やドーパミン放出能を評価する動態解析理論が整備でき、次年度に実際にデータ収集をおこなって精度検証を応用研究を進める段階にきた。機能的MRI画像により、線条体の機能異常が知られる薬物依存症において、背側前頭前野がどのような役割を果たすか、同じく機能的MRI画像法により音楽認知に関わる脳機能部位を明らかにした。定量的神経画像法により新規治療法を開発するための安定したサル病態モデル作成法・病態評価法を確立し新規治療(再生医療)の評価を行った。
結論
MRI拡散強調画像法をもちいた高精度の神経線維追跡法、PETによるドーパミン機能の効率的評価法、線条体疾患の病態、認知機能、線条体疾患病態モデル動物の安定作成と治療法の開発に関して一定の成果が得られた。

公開日・更新日

公開日
2008-06-06
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200730020C

成果

専門的・学術的観点からの成果
非侵襲的画像法により脳線維連絡性、ドーパミン機能の撮像技術、定量的解析法が確立されたことが大きな成果である。これらの技術により応用研究が期待される。
臨床的観点からの成果
臨床的に非侵襲的画像法による定量的診断法の基盤が整ったことが大きな成果である。多くの精神・神経疾患においてその応用性や診断能の評価が今後の課題となる。
ガイドライン等の開発
ガイドラインの開発はおこなっていない。
その他行政的観点からの成果
非侵襲的画像法の開発により患者さんにやさしい検査法として応用可能で、検査(数)の効率化・医療費軽減の上で重要な成果である。
その他のインパクト
なし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
33件
その他論文(和文)
9件
その他論文(英文等)
2件
学会発表(国内学会)
14件
学会発表(国際学会等)
7件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-29
更新日
-