食物アレルギーの発症・重症化予防に関する研究

文献情報

文献番号
200729023A
報告書区分
総括
研究課題名
食物アレルギーの発症・重症化予防に関する研究
課題番号
H18-免疫-若手-001
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
今井 孝成(独立行政法人国立病院機構相模原病院小児科)
研究分担者(所属機関)
  • 海老澤 元宏(国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部)
  • 板橋 家頭夫(昭和大学医学部小児科)
  • 伊藤 浩明(あいち小児保健医療総合センターアレルギー科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
10,425,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
食物アレルギーの疾患概念や治療論の確立を支援し、また患者のQOLを高め、併せて保健医療や厚生行政に直接的な情報提供を行う。こうして多角的に食物アレルギーの発症および重症化の予防に寄与することを目的とする。
研究方法
当研究班は以下の4班により構成されている。
1) 【即時型食物アレルギーの全国モニタリング調査】では、最終年度に即時型食物アレルギーの全国モニタリング調査を行い、食品衛生法をはじめとする食物アレルギーに関する厚生行政の指針、重症化の予防に寄与する。本年度は平成20年の調査の協力医師を募った。
2) 【食物アレルギー患者に対する栄養指導方法の確立に関する研究】では、食物アレルギーの栄養指導方法を体系化し、栄養指導マニュアルを作成することで食物アレルギー患者の2次的な重症化予防に寄与する。今年度は食物アレルギー患児の栄養調査(食事記録調査、食物摂取頻度調査)を行った。
3) 【新生児ミルクアレルギー (消化器症状型) に関する検討】では、疾患概念すら確立していない新生児期発症のミルクアレルギーを全国調査からその実態を解明、診断指針の策定を目標とし、同疾患の早期診断、重症化予防に寄与する。今年度は平成18年度の1次全国調査で集積された症例に対して、より詳細な2次調査を行った。
4) 【食物アレルギーの適正な診断と治療法に関する研究】では、診断効率の悪い現行の診断法を見直し、診断力のある客観的検査の確立を目指す。また診断確定のために不可欠な食物負荷試験に関して、可能な限りアナフィラキシーのリスクを下げ、効率よい負荷試験の実施を目指す検討を行い、食物アレルギーの発症、重症化の予防に寄与する。本年度は平成18年から保険収載となった食物負荷試験に関して、日本アレルギー学会専門医(小児科)に対して全国調査を行った。
結果と考察
1)小児科を中心に全国で968名のアレルギー専門医の参加を得た。即時型食物アレルギーの全国モニタリング調査は平成20年1月から既に開始されている。
2)食物アレルギー児の栄養学的な種々の問題点を明らかにした。最終年度の栄養指導マニュアル作成に向けて重要な情報収集が出来た。
3)111名の新生児ミルクアレルギーの症例を集積、分析し、新生児消化器症状型の疾患的特徴を明らかにした。
4)わが国における食物負荷試験の現状を示し、その問題点を明らかにし、今後の改善策を示すことが出来た。
結論
当研究班の分担4班の研究成果は、個々の分野において食物アレルギーの臨床の進展と充実に大きく貢献することができた。

公開日・更新日

公開日
2008-04-08
更新日
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