アレルギー疾患の自己管理と個別化医療を目指した早期診断基準と早期治療法の確立及びその有効性と有害事象の評価に関する研究

文献情報

文献番号
200729015A
報告書区分
総括
研究課題名
アレルギー疾患の自己管理と個別化医療を目指した早期診断基準と早期治療法の確立及びその有効性と有害事象の評価に関する研究
課題番号
H18-免疫-プロ-002
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
大田 健(帝京大学医学部内科学講座)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
39,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
各アレルギー疾患の早期診断と早期治療を目指して、診断基準、重症度の判定基準、そして重症度に合わせた早期治療の指針を作成する。とくに喘息を主たる対象疾患として、自己管理による疾患のコントロールを可能にすることを目指す。さらに、診断や治療における病診連携、及び専門医と一般医との連携についても、指針の中で具体的に提言し、適切な連携を推進する。「喘息死ゼロ作戦の実行に関する指針」を作成し、ガイドラインに沿った喘息の診療が現実の医療に即して実行される方策の確立を目指し、喘息死が限りなくゼロに近づくための治療戦略を本研究の課題全体を通じて提言することを目指す。
研究方法
各疾患の早期診断と早期治療を目指して、診断基準、重症度の判定基準、そして重症度に合わせた早期治療の指針を作成する。とくに喘息の自己管理によるコントロールの実現をめざし、医師向け喘息問診票と患者向けコントロール評価のための問診票、および喘息日記を作成し、実際に活用して有用性を検証する。また病診連携のネットワーク構築を実行する。さらに診断や治療における病診連携、専門医と一般医との連携についても、喘息死ゼロ作戦の評価委員会として具体的な案を作成し、作戦の実行に向けて提言する。
結果と考察
主なアレルギー性疾患について、「アレルギー疾患の早期診断、早期治療のための診療指針」と題した指針を作成した。さらに医師向け喘息問診票と患者向けコントロール評価のための問診票 (ACT;喘息コントロールテスト)を作成した。そして、ACTの点数とPEFの測定値が記入可能になった喘息日記を作成した。また、喘息の患者カードも作成した。さらに、班員の関連する医療施設を中核に医師会と病診連携のネットワークを構築した。医学専門家、医師会担当理事、患者会代表者からなる喘息死ゼロ作戦評価委員会と厚生労働省疾病対策課との協議により、明解、簡便、実行可能ということを念頭に「喘息死ゼロ作戦の実行に関する指針」を完成した。構築した病診連携のネットワークは診療の実行のモデルとして、本指針の評価の一端となる。
結論
本年度は、早期診断、早期治療のための診療指針、ACT、日記や患者カードなどを計画通り完成し実際の使用を開始した。病診連携のネットワークが構築され、本研究班の提言に沿った診療が実行され始めた。本研究班の臨床的課題を推進することにより提唱している喘息死ゼロ作戦が検証され評価される。

公開日・更新日

公開日
2008-04-04
更新日
-