関節リウマチの治療法選択と治療反応性の実態把握の為の定点観測体制の構築

文献情報

文献番号
200729014A
報告書区分
総括
研究課題名
関節リウマチの治療法選択と治療反応性の実態把握の為の定点観測体制の構築
課題番号
H18-免疫-プロ-001
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
山本 一彦(東京大学大学院医学系研究科内科学専攻アレルギーリウマチ学)
研究分担者(所属機関)
  • 宮坂 信之(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科膠原病リウマチ内科学)
  • 山中 寿(東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター)
  • 石黒 直樹(名古屋大学大学院医学系研究科機能構築医学専攻運動・形態外科学講座整形外科学)
  • 竹内 勤(埼玉医科大学総合医療センターリウマチ・膠原病内科)
  • 當間 重人(国立病院機構相模原病院臨床研究センターリウマチ性疾患研究部)
  • 萩野 昇(東京大学医学部附属病院アレルギーリウマチ内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
RAの病因・病態は十分に解明されておらず、根治的な治療法も確立されていない。多くの患者では疼痛、関節破壊による上下肢機能障害、関節外病変、治療による副作用などで、生命予後への影響だけでなく著しいQOLの低下が見られる。しかし最近、幾つかの有効な治療法が開発されつつあり、これまでにない治療効果が期待されている。それらの有効性を客観的に評価し、情報を蓄積しながら最も有効な治療法とそれぞれの患者にとって最適な治療法を選択できる為の資料を整備することは、今後のわが国のRA診療に極めて重要である。この点で、今まで日本人RA患者の病勢、QOL、合併症、治療法、生命予後などについての包括的、継続的なデータベースはほとんど存在していないことから、本研究はこのようなシステムを構築することを目的とする。
研究方法
本研究の定点観測の目的は、我が国に存在しないRAの疫学データの構築であり、既に動いているIORRA, iR-netなどのlongitudinalが可能な観察研究に対して、本研究はcross-sectionalな研究とする。すなわち、個々の患者の追跡調査を行わず、ある時点での各施設での(ランダムな)患者背景の計測とする。
平成19年度は、研究者間の合議によって作成された調査票を、各都道府県の施設(計87施設)に200枚ずつ送付した。既に約40施設より記入済みの調査票を受領しており、現在統計解析を実行中である。
結果と考察
既に約40施設より記入済みの調査票を受領している。今後、順次統計解析を実行し、結果を学術誌に報告の予定である。
現在受領した調査票からのデータ収集・集計を施行している。
年齢、性別、発症年齢などとともに体重についてのデータも集計されており、生物学的製剤を含む抗リウマチ薬の適正使用量を定める際の参考となり得る。また、例えば「男性のリウマチ患者における喫煙率」や「喫煙歴のあるリウマチ患者が肺合併症を有する率」などの疑問にも、データのソーティングによって速やかに答えることが可能である。
結論
日本人RA患者の病勢、QOL、合併症、治療法、生命予後などについての包括的、継続的なデータベースは、RA病態考察において、さらに適切な治療戦略を構築する上で極めて有用であると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2008-04-16
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-01-27
更新日
-