HAARTの長期的副作用対策・長期予後に関する研究

文献情報

文献番号
200727029A
報告書区分
総括
研究課題名
HAARTの長期的副作用対策・長期予後に関する研究
課題番号
H19-エイズ-一般-002
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
立川 夏夫(国立国際医療センターエイズ治療・研究開発センター)
研究分担者(所属機関)
  • 安岡 彰(長崎大学医学部・歯学部附属病院感染制御教育センター )
  • 田邊 嘉也(新潟大学大学院医歯学総合研究科臨床感染制御学分野)
  • 萩原 將太郎(国立国際医療センター血液内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
24,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 強力な抗HIV療法は日々進化し、HIV感染者の長期予後は非常に改善している。現在のHIV治療の問題は①抗HIV療法の長期100%内服による副作用の問題と、②日和見疾患の治療の問題点の解決に絞られてきている。当班は以上の問題意識より以下の4つの研究が組まれている。
研究方法
 以下の4研究につき個別に記載する。
(1) Tenofovirを含む抗HIV療法の効果と副作用の評価(TDF研究):ATV/RTVを固定し、TDFとABCとを比較することで、TDFの効果と副作用を検討する。
(2) Atazanavirによる高ビリルビン血症に対するウルソデオキシコール酸の効果(ウルソ研究):ATV継続例25症例を対象に、ウルソデオキシコール酸600mg/日を3ヶ月投与し、本剤による総ビリルビン低下効果の有無を検討することとした。
(3) ニューモシスチス肺炎治療での減量治療法の検討(ST減量研究): Trimethoprim換算で本来のガイドライン15mg/kg/日から12mg/kg/日の段階を経て、10mg/kg/日を試みる2段階方式とすることとした。
(4) AIDS悪性リンパ腫の自己末梢血幹細胞移植を併用したsalvage療法の検討(AIDS悪性リンパ腫salvage療法研究):難治性再発性AIDS関連悪性リンパ腫に対して、ESAP±抗CD20抗体によるサイルベイジ療法を行い、その後、MEAM療法を前処置とした自己末梢血幹細胞移植するという内容である。
結果と考察
以下に個別に説明する。
(1) TDF研究:最も進行している研究である。8施設での倫理委員会での承認を受けており、既に症例登録(08年1月7日時点で9症例)も進んでいる。本研究ではprospective studyかつ無作為割付かつ多施設共同試験の枠組みを創ることが可能であった。今後症例の蓄積と共に研究成果が判明してくると考えられる。
(2) ウルソ研究:プロトコール作成終了し、倫理委員会の了承も得ることができた。2年度からは急速にデータ蓄積が可能と考えられる。
(3) ST減量研究: 倫理委員会に了解可能な内容にするため、進行が遅れている。上記方法に変更して進める予定。
(4) AIDS悪性リンパ腫salvage療法研究:1年度は1名の患者が登録し臨床試験を実施した。エントリー外の症例も2例存在している。
結論
研究は全体的は(3)ニューモシスチス肺炎治療での減量治療法を除き、倫理委員会の承認もすみ、症例登録も進み、順調に進行している。

公開日・更新日

公開日
2008-06-05
更新日
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