同性愛者等への有効な予防介入プログラムの普及に関する研究

文献情報

文献番号
200727027A
報告書区分
総括
研究課題名
同性愛者等への有効な予防介入プログラムの普及に関する研究
課題番号
H18-エイズ-若手-005
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
嶋田 憲司(特定非営利活動法人動くゲイとレズビアンの会)
研究分担者(所属機関)
  • 柏崎 正雄(財団法人エイズ予防財団)
  • 鳩貝 啓美(特定非営利活動法人動くゲイとレズビアンの会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
4,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「同性愛者他の個別施策層対策の各地への普及」と「行政-NPO連携によるHIV対策事業の必要性」に基づき、1)行動変容につながる普及啓発の実施・推進、2)中小都市・NGO不在地域における同性間HIV対策の普及、3)コミュニティ内部への啓発効果の波及、を研究目的とした。
研究方法
NPOが「コミュニティ」「行政」それぞれに対する支援を促進し、各地域での対策実施が可能となる環境をつくりあげるため、コミュニティを対象とした研究1では、1)予防啓発プログラムの実施と評価(①ワークショップ型啓発「LIFEGUARD」の実施、②孤立層への啓発「繁華街アウトドア・アウトリーチ」)、2)コミュニティ実態調査、3)コミュニティ開発を行い、自治体を対象とした研究2では、1)同性間対策実態調査、2)自治体事業連携をおこなった。
結果と考察
(研究1)同性愛者向けワークショップ型啓発手法の全国(22箇所のべ561名)での介入および効果評価の実施をした。また、孤立層に対しての啓発プログラムの開発を目指した実態調査により屋外の路上や公園などにいる若者のMSMに対する啓発を重点化する必要性を確認した。そしてコミュニティ調査Ⅱを行い、初交年齢前の若者のMSMへの啓発の必要性と受検動機に応える検査機関のあり方を把握した。コミュニティ開発では、コミュニティ開発プロセスを3局面7段階に整理し、コンタクトパーソンへのアプローチとボランティア教育を行った。
(研究2)「行政-NPO連携によるHIV対策事業」の普及を目指し、これまで当研究班が連携してきた14地域20種類の実践例を2つの観点(①HIV対策をプロジェクトとしてとらえ、②流動性を保った枠組みを構築する)から整理し、「プロジェクト・マネジメント」と「事業別連携マネジメント」を構築した。また「男性同性間のHIV感染対策事例集」を発行した。
結論
全7地方22箇所での啓発プログラムの実践と評価を行った。MSM性行動の調査からは、若年層のMSMに対する啓発を重点化する必要が示された。また、自治体の同性間対策事業連携例のモデルと「男性同性間のHIV感染対策事例集」の作成により、事業化を促進した。今後は、本モデルをもとに、さらに多数の地域での事業実施などの連携事例を重ね、事例の汎用性の評価を行っていく必要がある。

公開日・更新日

公開日
2008-06-04
更新日
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