日本の性娯楽施設・産業に係わる人々への支援・予防対策の開発に関する学際的研究

文献情報

文献番号
200727017A
報告書区分
総括
研究課題名
日本の性娯楽施設・産業に係わる人々への支援・予防対策の開発に関する学際的研究
課題番号
H18-エイズ-一般-014
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
東 優子(大阪府立大学 人間社会学部)
研究分担者(所属機関)
  • 生島 嗣(ぷれいす東京 運営委員長)
  • 徐 淑子(新潟県立看護大学 講師)
  • 野坂 祐子(大阪教育大学・学校危機メンタルサポートセンター 講師)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
9,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「性娯楽施設・産業に係る人々」のwell-beingとHIV/AIDS対策事業に貢献すべく、男性顧客、SW、「SW」アイデンティティを持たない「一般女性」それぞれの感染脆弱性・予防対策ニーズを評価し、予防啓発活動のための基礎情報を得ること、また当該集団のセクシュアル・ヘルスを促進するための「しかけ」の開発と実践を行うことを目的とする。
研究方法
(A)「男性顧客」については前年度からの継続調査への協力を許諾した1400名を対象とする郵送調査により785名から有効回答を得た。(B)SW10名を対象に感染脆弱性・健康教育ニーズを評価するための半構造化面接を行った。(C)携帯電話アンケート会社に登録する女性2600名にURLを配信した調査を行い、2,264名から有効回答を得た。(D)アクセスが困難なSWのセクシュアル・ヘルス/ライツ啓発の「場」としてのweb版コミュニティの有効性と課題を把握するための国内webサイト120頁の内容分析を行った。
結果と考察
(A)では40-50代の会社員を代表するサンプルにおいて、直近の利用ではフェラチオ13.8%-25.0%、膣挿入21.1-79.7%のコンドーム使用がみられ、男性顧客の「ナマ志向」の積極的表明は25%以下だがポテンシャルなものは半数近くあった。以上により、①サブポピュレーションごとの健康教育ニーズ、②健康教育レディネスの評価、③派遣型ユーザーの実態把握、④ヘビーユーザー/ハイリスクユーザーの同定が示唆された。(C)では金銭授受を伴う性行為経験者(14.2%)のうち、事前にコンドーム使用を確認したのは48.6%だが、使用したかったのにできなかったのは23.1%。また77.3%から「性的健康のリスク経験」が報告されるなど、性の保健行動を実践する上で関係性や状況による違いが認められた。(D)では①「SWフレンドリネス」は雇用者目線によるものが多く、②「個人スキル」はほとんど言及がないことが明らかとなり、当事者支援・予防啓発にはインターネット等の有効利用と同時に①②の充実の必要性が示唆された。
結論
本研究は、従来、「男性顧客」「SW」「非SW」と一括されてきた集団の特性を明らかにすることにより、介入やニーズ把握の糸口をつかむことを可能とした。また、コミュニティとのネットワーキングにより、調査段階・結果解釈において重要となる多角的視点を踏まえた、より有効な予防啓発の展開が期待される。

公開日・更新日

公開日
2008-06-04
更新日
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