薬剤耐性菌等に関する研究

文献情報

文献番号
200726024A
報告書区分
総括
研究課題名
薬剤耐性菌等に関する研究
課題番号
H18-新興-一般-011
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
荒川 宜親(国立感染症研究所 細菌第二部)
研究分担者(所属機関)
  • 池 康嘉(群馬大学大学院医学系研究科 細菌感染制御学教室)
  • 一山 智(京都大学大学院医学研究科 臨床病態検医学教室)
  • 小崎 繁昭((社)日本臨床衛生検査技師会)
  • 北島 博之(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター)
  • 切替 照雄(国立国際医療センター研究所 感染症制御研究部)
  • 黒崎 博雅(熊本大学大学院医学薬学研究部 総合医薬科学部門創薬科学講座構造機能物理化学分野)
  • 倉田 毅(富山県衛生研究所)
  • 小林 和夫(国立感染症研究所 免疫部)
  • 小西 敏郎(NTT東日本関東病院 消化器外科)
  • 柴山 恵吾(国立感染症研究所 細菌第二部)
  • 藤本 修平(群馬大学医学部 微生物学教室 )
  • 牧野 正彦(国立感染症研究所 ハンセン病研究センター 病原微生物部)
  • 松本 哲哉(東京医科大学 微生物学教室)
  • 松本 智成(大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター)
  • 宮崎 久義(独立行政法人 国立病院機構熊本医療センター)
  • 森兼 啓太(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 山口 惠三(東邦大学医学部 微生物学教室)
  • 山本 友子(千葉大学大学院薬学研究科 微生物薬品化学研究室)
  • 和田 昭仁(国立感染症研究所 細菌第一部)
  • 畝 博(福岡大学医学部衛生学教室)
  • 後藤 直正(京都薬科大学薬学部 微生物学教室)
  • 近藤 信哉(都立多摩北部医療センター 小児科)
  • 武澤 純(名古屋大学医学部 救急医学/集中治療医学)
  • 吉田 勝美(聖マリアンナ医科大学 予防医学教室)
  • 鈴木 里和(国立感染症研究所 細菌第二部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
67,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
厚生労働省が実施する院内感染対策サーベイランス事業(以下、「事業」)の運用や改善について専門的な観点から支援を行なうとともに、国内の医療施設におけるVREやMDRPへの対策支援、新たに出現した新型薬剤耐性菌や抗酸菌などにおける薬剤耐性機構の分子解析、さらに、院内感染対策の向上に資する文献情報を整理し医療機関における指針などの作成を支援する。
研究方法
「事業」の運用やその改善については、専門家による会議を数回開催し、参加医療機関から提出されるデータ項目の絞り込みや還元する図表の改善を行なった。同時に、医療法で医療機関に作成が義務付けられた、院内感染対策のための「指針」を作成するための「手引き」の整備を行なった。また、国内の医療機関で発生したVREやMDRPなどの調査や検査、対策などの支援を行なうとともに、分離された様々な新型薬剤耐性菌における耐性機構を分子・遺伝子レベルで解析し、その成果に基づいて新しい検査法の開発を試みた。さらに、非結核性抗酸菌における抗結核薬耐性機構や、小児におけるツベルクリンの判定基準などを検討した。
結果と考察
「事業」の大幅な改善を達成し、参加医療機関における対策を推進する事ができた。また、MDRPの分離率の高い事が昨年度の調査で明らかとなっている医療機関に対しその後の状況確認と対策の継続を促した。さらに、「手引き」の検討を行ない、ver. 5.0を作成した。一方、国内ではじめて確認された複数の新型耐性菌や非結核性抗酸菌が獲得した新しい耐性機構を分子・遺伝子レベルで解明しつつある。また、ペニシリン非感受性を獲得したB群連鎖球菌などを簡便に検出する方法を考案した。同時に、小児における小児におけるツベルクリンの新しい判定基準を提案した。
結論
「事業」の大幅な改善により、参加医療機関における院内感染対策の推進に貢献する集計結果を還元する事が可能となった。同時に、院内感染対策のために必要な「指針」を作成する上で参考となる「手引き」の改定を行なった。一方、基礎的な研究成果としては、我々が世界で最初に発見した、プラスミド媒介性の16S rRNA メチレースやフルオロキノロン排出ポンプなどの遺伝子を保有する耐性菌の調査を進めるとともに、ペニシリン非感受性のB群連鎖球菌における耐性機構を解明しその検便検査法を考案した。さらに、非結核性抗酸菌における耐性機序や小児におけるツベルクリン検査の新判定基準を提案することができた。

公開日・更新日

公開日
2008-06-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-01-22
更新日
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