節足動物媒介感染症の効果的な防除等の対策研究

文献情報

文献番号
200726022A
報告書区分
総括
研究課題名
節足動物媒介感染症の効果的な防除等の対策研究
課題番号
H18-新興-一般-009
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
小林 睦生(国立感染症研究所昆虫医科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 狩野繁之(国立国際医療センター研究所)
  • 小西英二(神戸大学医学部)
  • 松本芳嗣(東京大学大学院農学生命科学研究科)
  • 高崎智彦(国立感染症研究所ウイルス第1部)
  • 倉根一郎(国立感染症研究所ウイルス第1部)
  • 名和 優(埼玉医科大学)
  • 江下優樹(大分大学医学部)
  • 當間孝子(琉球大学医学部)
  • 沢辺京子(国立感染症研究所昆虫医科学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
61,408,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、疾病媒介蚊に関して、地方自治体および検疫所における調査および防除体制の確立を目標に、アルボウイルス感染症の疫学、新規ワクチンの開発および迅速な病原体診断、重症マラリア患者の診断および治療と重症化対策、都市部における媒介蚊の発生状況調査および防除対策、媒介蚊からの日本脳炎ウイルスの分離と遺伝子構造解析、ウCルスの越冬生態の解明を含む多方面からの調査研究を行った。
研究方法
日本脳炎ウイルスの蚊からの分離、遺伝子解析、DNAワクチンの開発、デング熱患者の診断における唾液、尿検体の評価、都市部での媒介蚊の発生状況調査、防除試験および経費の試算、アカイエカの飛翔範囲の解析、日本脳炎ウイルスのEタンパク質のアミノ酸変異と病原性との関わ全都自治体へのアンケート調査による媒介蚊防除体制現状調査、マラリア感染のリスクと予防内服による副作用のリスクとの検討、アタマジラミのピレスロイド系駆除剤抵抗性の発達状況調査などを行った。
結果と考察
西宮市の道路、公園、公共施設、集合住宅等の雨水枡における媒介蚊の発生状況調査を行い、道路の雨水枡が重要な発生源であった。DNA/蛋白混合投与法の有効性を検証し、大動物におけるDNA投与量の低減と蛋白ワクチン製造費の低減に目処がついた。日本脳炎ウイルス(JEV)の病原性に係わるEタンパク質のアミノ酸変異を明らかにした。アタマジラミの薬剤抵抗性の発達状況の調査を全国的に行い、出現頻度およびその対策を検討する。コガタアカイエカからJEVを高頻度で分離し、遺伝子遺伝子解析を行った。
結論
日本脳炎ウイルスの遺伝子解析においても、毎年、活動している株の遺伝子に変異が認められており、突然強毒株が出現する可能性は否定できない。その意味で、継続して病原体側の遺伝子変異に関するモニタリングが重要で、また媒介蚊の発生密度、分布などの基礎的なデータの蓄積も重要である。疾病媒介昆虫の対策であることを再認識する必要があり、地方自治体の防除体制の再構築が強く望まれる

公開日・更新日

公開日
2008-05-02
更新日
-