生物テロに使用される可能性の高い細菌・ウイルス等による感染症の蔓延防止、予防、診断、治療に関する研究

文献情報

文献番号
200726008A
報告書区分
総括
研究課題名
生物テロに使用される可能性の高い細菌・ウイルス等による感染症の蔓延防止、予防、診断、治療に関する研究
課題番号
H17-新興-一般-024
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
佐多 徹太郎(国立感染症研究所 感染病理部)
研究分担者(所属機関)
  • 森川 茂(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 山田 章雄(国立感染症研究所 獣医科学部)
  • 岸本 壽男(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 遠藤 卓郎(国立感染症研究所 寄生動物部)
  • 高橋 英之(国立感染症研究所 細菌第一部)
  • 高橋 元秀(国立感染症研究所 細菌第二部)
  • 牧野 壮一(国立大学法人帯広畜産大学 大動物特殊疾病研究センター)
  • 岩本 愛吉(東京大学医科学研究所 先端医療研究センター)
  • 松本 哲哉(東京医科大学微生物学講座)
  • 中村 修(慶応義塾大学環境情報学部)
  • 山本 保博(日本医科大学)
  • 出口 弘(東京工業大学大学院総合理工学研究科)
  • 金谷 泰宏(防衛医科大学校 防衛医学研究センター)
  • 大日 康史(国立感染症研究所 感染症情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
50,350,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
バイオテロ対策として迅速で特異的な診断法を開発整備し、一次対応者への情報提供を目的とした臨床診断・検査等の対応支援ホームページの作製、天然痘対応指針の改定、そしてさまざまなシナリオを用いたコンピューターシミュレーションによる被害予測および対応評価を可能にし、バイオテロ対策に役立てることを目的とした。
研究方法
分担研究者の詳細な研究方法は分担研究者の報告書に譲る。
結果と考察
緊急時対応可能な迅速実験室診断法の開発が進み充実した。網羅的ウイルス検出Realtime PCR法、天然痘との鑑別に必要なサル痘のLC-PCR法、ニパウイルスの抗原や抗体作製、リケッチャのrealtime PCR法、アメーバの追跡に役立つ塩基配列情報、ペスト菌の迅速蛍光抗体法、SEBやATの検出系、炭疽、ブルセラ、野兎病、鼻疽、類鼻疽の遺伝子および抗体検出法が行われた。また、バイオテロ発生時の一次対応支援となるバイオテロ対策マニュアルのホームページの公開に向けて準備がほぼできた。天然痘対応指針の改訂が可能となった。また、バイオテロの被害予測と感染対策に利用可能なコンピュータシミュレーションができた。これらの結果により、バイオテロ対策に利用できるツールの整備が進んだ。
結論
バイオテロ病原体等の迅速検査法が充実し、バイオテロ疾患の情報提供手段としてのホームページがほぼ完成し、また、コンピュータシミュレーション法が完成し、感染対策評価と被害予測が可能となった。

公開日・更新日

公開日
2008-06-19
更新日
-

文献情報

文献番号
200726008B
報告書区分
総合
研究課題名
生物テロに使用される可能性の高い細菌・ウイルス等による感染症の蔓延防止、予防、診断、治療に関する研究
課題番号
H17-新興-一般-024
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
佐多 徹太郎(国立感染症研究所 感染病理部)
研究分担者(所属機関)
  • 森川 茂(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 山田 章雄(国立感染症研究所 獣医科学部)
  • 岸本 壽男(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 遠藤 卓郎(国立感染症研究所 寄生動物部)
  • 高橋 英之(国立感染症研究所 細菌第一部)
  • 高橋 元秀(国立感染症研究所 細菌第二部)
  • 牧野 壮一(国立大学法人帯広畜産大学 大動物特殊疾病研究センター)
  • 岩本 愛吉(東京大学医科学研究所 先端医療研究センター)
  • 松本 哲哉(東京医科大学微生物学講座)
  • 中村 修(慶応義塾大学環境情報学部)
  • 山本 保博(日本医科大学)
  • 出口 弘(東京工業大学大学院 総合理工学研究科)
  • 金谷 泰宏(防衛医科大学校 防衛医学研究センター)
  • 大日 康史(国立感染症研究所 感染症情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
バイオテロ対策として迅速で特異的な診断法を開発整備し、一次対応者への情報提供を目的とした臨床診断・検査等の対応支援ホームページの作製、天然痘対応指針の改定、そしてさまざまなシナリオを用いたコンピューターシミュレーションによる被害予測および対応評価を可能にし、バイオテロ対策に役立てることを目的とした。
研究方法
各年度の総括分担報告書に詳細を記載した。
結果と考察
緊急時に対応可能な迅速実験室診断法の確立をめざした研究では、生物テロの際に問題となるウイルス104種類を網羅的に検出するRealtime PCR法を確立し評価も進んだ。ほか、天然痘ウイルスと関連ウイルス、ニパウイルス、C. burnetii、種々のリケッチャ、Cryptosporidium parvumやAcanthamoeba spp.、ペスト菌と耐性菌、細菌毒素、炭疽菌、野兎病菌、鼻疽・類鼻疽菌の遺伝子や抗原・抗体の検出法の確立が進んだ。臨床診断・検査等の対応支援ホームページはほぼ完成し、多くのICDで評価され、さらに課題が明らかとなった。自治体支援として生物テロ対策の評価ツールを開発した。天然痘対応指針の改定をめざして検討を進めた。コンピューターシミュレーションによる被害予測および対応評価法が完成し、天然痘、炭疽菌、肺ペストでシミュレーションを行い、結果を得た。
結論
バイオテロ病原体等の迅速検査法の開発が進められ、遺伝子診断法のみならず、抗原や抗体検査法が開発され、実験室診断法が充実した。バイオテロ疾患の情報提供手段としてバイオテロ対応ホームページがほぼ完成したが、感染症専門医としてのICDへのアンケートによりさらに改善点が明らかとなった。また、バイオテロによるコンピュータシミュレーションが可能となり、感染対策の評価が可能となった。

公開日・更新日

公開日
2008-06-19
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200726008C

成果

専門的・学術的観点からの成果
生物テロの際の緊急時に対応可能な迅速実験室診断法として、ウイルスのスクリーニング法のほか、天然痘、ニパウイルス、C. burnetii、種々のリケッチャ、Cryptosporidium parvumやAcanthamoeba spp.、ペスト菌と耐性菌、毒素、炭疽菌、野兎病菌、鼻疽・類鼻疽菌の遺伝子や抗原・抗体の検出法を開発した。臨床診断・検査等の対応支援ホームページはほぼ完成した。コンピューターシミュレーションによる被害予測および対応評価法が完成し、実際に応用した。
臨床的観点からの成果
ウイルスのスクリーニング法は対象病原体を選択することで臨床診断への応用が可能である。
ガイドライン等の開発
臨床診断・検査等の対応支援ホームページを3000名のICDに公開し評価を得た。自治体支援として生物テロ対策の評価ツールを開発した。SOARSを用いたシミュレーション疫学モデルを用いた「感染症対策の机上演習マニュアル」を作製した。
その他行政的観点からの成果
臨床診断・検査等の対応支援ホームページを限定公開した。自治体支援として生物テロ対策の評価ツールを開発した。天然痘対応指針の改定をめざして検討を進めた。「感染症対策の机上演習マニュアル」を作製した。
その他のインパクト
2005年の日本法医学会および日本皮膚科学会総会シンポジウム、2006年新興再興感染症研究成果発表会、2006年と2007年東京都危機管理講習会で研究班の成果を発表し、2006年日本感染症学会でシンポジウムを開催した。

発表件数

原著論文(和文)
9件
原著論文(英文等)
52件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
28件
学会発表(国際学会等)
18件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計4件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Morikawa S, Sakiyama T, Hasegawa H他
An attenuated LC16m8 smallpox vaccine: analysis of full-genome sequence and induction of immune protection.
J Virol , 79 , 11873-11891  (2005)
原著論文2
Saijo M, Ami Y, Suzaki Y他
LC16m8, a highly attenuated vaccinia virus vaccine lacking expression of the membrane protein B5R, protects monkeys from monkeypox.
J Virol , 80 , 5179-5188  (2006)
原著論文3
Iihara H, Niwa T, Shah MM他
Rapid multiplex immunofluorescent assay to detect antibodies against Burkholderia pseudomallei and taxonomically closely related nonfermenters.
Jpn J Infect Dis , 60 , 230-234  (2007)

公開日・更新日

公開日
2016-06-27
更新日
-