医療機関における聴覚障害者向け翻訳システム

文献情報

文献番号
200725009A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機関における聴覚障害者向け翻訳システム
課題番号
H18-感覚器-一般-005
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
高橋 英孝(野村病院予防医学センター)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 感覚器障害研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
4,238,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医師の会話を自動翻訳して手話に変換し、しかもその内容が医師側にも分かるように文字で表示することが可能になれば、問診の正確性は向上し、医療の質も向上すると考えられる。手話通訳者は聴覚障害者の手話表現を医師に伝えることに集中できるため、双方向の会話を同時に行うことで延長しがちな診療時間の短縮にもつながる。また、文字による表示を行うことは、医師側の内容確認だけでなく、手話がわからない聴覚障害者(中途失聴者や難聴者など)に対しても正確な情報提供を行うことが可能となる。今後も続く高齢化社会にあっては、難聴者を含む聴覚障害者の増加が予想されるため、本研究の成果が多くの人々に対する医療の質の向上に寄与すると考えられる。
研究方法
本研究の方法は、①医療現場での想定会話集の作成、②会話の手話表現とデータベース化、③手話表現と文字を組み合わせた表示、④音声認識によって動画を選択・再生するソフトウェアの開発、⑤医療従事者によるシステムの評価、⑥聴覚障害者によるシステムの評価、の6項目から成る。平成18年度には①~③を、平成19年度には手話表現の文章や単語の数を増やすことと④~⑥を実施する。システムの評価については、平成19年3月に開設した昭和大学病院聴覚障害者外来において、外来を担当する医師の協力を得て医療従事者による評価を実施すると共に設立準備委員会のメンバーである東京都聴覚障害者連盟と東京都中途失聴・難聴者協会の会員である聴覚障害者による評価も実施する。
結果と考察
平成18年度には①医療現場での想定会話集作成、②会話の手話表現とデータベース化、③手話表現と文字を組み合わせた表示、を実施した。
平成19年度は、④~⑥を実施した。④はソフトウェア開発業者に委託して作成した。音声認識により文字による表示と手話による表示に加えて、タッチパネルを用いた指差しでの会話も可能なように改良した。また、平成18年度は実際の人間による手話動画を表示したが、今年度は手話アニメーションを採用した。⑤と⑥は昭和大学病院聴覚障害者外来および聴覚障害者団体に依頼して評価を進行中である。
結論
本研究の成果物である「聴覚障害者向け翻訳システム」により、聴覚障害者が手話通訳なしで医師の会話の内容を理解することが可能となる。手話通訳者は患者である聴覚障害者の会話を医師に伝えることに専念できるため、診療にかかる時間の短縮とコミュニケーションの向上が図れ、聴覚障害者の自立支援と医療費削減に繋がると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2008-05-14
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-01-22
更新日
-

文献情報

文献番号
200725009B
報告書区分
総合
研究課題名
医療機関における聴覚障害者向け翻訳システム
課題番号
H18-感覚器-一般-005
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
高橋 英孝(野村病院予防医学センター)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 感覚器障害研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医師の会話を自動翻訳して手話に変換し、しかもその内容が医師側にも分かるように文字で表示することが可能になれば、問診の正確性は向上し、医療の質も向上すると考えられる。手話通訳者は聴覚障害者の手話表現を医師に伝えることに集中できるため、双方向の会話を同時に行うことで延長しがちな診療時間の短縮にもつながる。また、文字による表示を行うことは、医師側の内容確認だけでなく、手話がわからない聴覚障害者(中途失聴者や難聴者など)に対しても正確な情報提供を行うことが可能となる。今後も続く高齢化社会にあっては、難聴者を含む聴覚障害者の増加が予想されるため、本研究の成果が多くの人々に対する医療の質の向上に寄与すると考えられる。
研究方法
本研究の方法は、①医療現場での想定会話集の作成、②会話の手話表現とデータベース化、③手話表現と文字を組み合わせた表示、④音声認識によって動画を選択・再生するソフトウェアの開発、⑤医療従事者によるシステムの評価、⑥聴覚障害者によるシステムの評価、の6項目から成る。平成18年度には①~③を、平成19年度には手話表現の文章や単語の数を増やすことと④~⑥を実施する。システムの評価については、平成19年3月に開設した昭和大学病院聴覚障害者外来において、外来を担当する医師の協力を得て医療従事者による評価を実施すると共に設立準備委員会のメンバーである東京都聴覚障害者連盟と東京都中途失聴・難聴者協会の会員である聴覚障害者による評価も実施する。
結果と考察
平成18年度には①医療現場での想定会話集作成、②会話の手話表現とデータベース化、③手話表現と文字を組み合わせた表示、を実施した。
平成19年度は、④~⑥を実施した。④はソフトウェア開発業者に委託して作成した。音声認識により文字による表示と手話による表示に加えて、タッチパネルを用いた指差しでの会話も可能なように改良した。また、平成18年度は実際の人間による手話動画を表示したが、今年度は手話アニメーションを採用した。⑤と⑥は昭和大学病院聴覚障害者外来および聴覚障害者団体に依頼して評価を進行中である。
結論
医師の会話を自動翻訳して手話に変換し、しかもその内容が医師側にも分かるように文字で表示することが可能になれば、問診の正確性は向上し、医療の質も向上すると考えられる。手話通訳者は聴覚障害者の手話表現を医師に伝えることに集中できるため、双方向の会話を同時に行うことで延長しがちな診療時間の短縮にもつながる。また、文字による表示を行うことは、医師側の内容確認だけでなく、手話がわからない聴覚障害者に対しても正確な情報提供を行うことが可能となる。

公開日・更新日

公開日
2008-05-14
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
200725009C

成果

専門的・学術的観点からの成果
医療者からの会話を患者・受診者に手話と文字とで表示することが可能となり、問診の正確性が向上するとともに医療の質の向上にも寄与すると考えられた。
臨床的観点からの成果
本システムのプロトタイプが昭和大学病院聴覚障害者外来で採用された。
ガイドライン等の開発
特になし。
その他行政的観点からの成果
本システムを応用することで、医療現場のみならず、公共機関での聴覚障害者とのコミュニケーションが円滑に進むと考えられる。
その他のインパクト
NHK教育テレビ「ろうを生きる難聴を生きる」で放送された。平成20年2月9日に一般向け研究成果発表会を開催した(参加者113人)。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
3件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
2件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-29
更新日
-