精神障害者の生活機能と社会参加の促進に関する研究

文献情報

文献番号
200724030A
報告書区分
総括
研究課題名
精神障害者の生活機能と社会参加の促進に関する研究
課題番号
H19-障害-若手-002
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
齋藤 深雪(山形大学医学部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
1,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 精神障害者が社会で生活を維持するためには,課題や行為の個人による遂行する能力(活動)と生活・人生場面への関わる能力(参加)の向上が重要である。そこで,精神障害者が自分自身の生活機能を評価できる尺度を開発することである。
研究方法
 対象者は,病院付設型精神科デイケアの通所者1272名である。郵送法による質問紙調査を2回実施した。第2回目の調査は,第1回目の調査の3週間後に実施した。質問紙の主な内容は,精神障害者生活機能に関する質問(活動面18項目,参加面24項目の計42項目),日本語版Rathus assertiveness schedule(30項目)である。
 妥当性は,因子的妥当性(主因子法によるバリマックス回転法),基準関連妥当性を分析した。信頼性は,テスト-再テスト,内的整合性(Cronbachのα係数及び折半法)を分析した。倫理的配慮は, 厚生労働省の『臨床研究に関する倫理指針』を遵守した。
結果と考察
1.活動面の妥当性と信頼性について
 因子的妥当性は,因子負荷量0.39以上の15項目を選出した(累積寄与率は58.4%)。基準関連妥当性は,第1回目(r=0.39,p<0.01)と第2回目(r=0.37,p<0.01)のアサーティブ得点と活動点に有意な関係が認められた。
 テスト-再テストは,第1回目の活動点と第2回目の活動点に有意な関係が認められた(r=0.74,p<0.01)。内的整合性は,第1回目と第2回目のCronbachのα係数が0.89以上であった。折半法では, 第1回目(r=0.86,p<0.01),第2回目(r=0.90,p<0.01)とも有意な関係が認められた。以上から,活動面の妥当性と信頼性が保証された。
2.参加面の妥当性と信頼性について
 因子的妥当性は,因子負荷量0.39以上の21項目を選出した(累積寄与率は57.2%)。基準関連妥当性は,1回目(r=0.24,p<0.01),第2回目(r=0.29,p<0.01)ともアサーティブ得点と参加点に有意な関係が認められた。
 テスト-再テストは,第1回目の参加点と第2回目の参加点に有意な関係が認められた(r=0.70,p<0.01)。内的整合性は,第1回目と第2回目のCronbachのα係数が0.87以上であった。折半法では,第1回目(r=0.83,p<0.01)と第2回目(r=0.82,p<0.01)に有意な関係が認められた。以上から,参加面の妥当性と信頼性が保証された。
結論
 活動面15項目,参加面21項目の計36項目から構成される「自己評価式精神障害者生活機能評価尺度」を開発した。

公開日・更新日

公開日
2008-04-04
更新日
-