障害者の自立支援のための移乗システムの研究

文献情報

文献番号
200724029A
報告書区分
総括
研究課題名
障害者の自立支援のための移乗システムの研究
課題番号
H19-障害-若手-001
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
小林 裕介(長野工業高等専門学校機械工学科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
1,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 車いす使用者が車いすやベッドなどへ移る動作”移乗動作”は車いす使用者にとって日常生活を送る上で必要不可欠な動作であるが、一人で移乗を行う際には非常に負担となる。既存の移乗装置は介助者を要することが多く、あるいは大がかりな物多いため敬遠されている。こういった事から現在、多くの車いす使用者は移乗装置を使わずに負担のかかる動作により移乗を行っている。
 こういった現状を打開するために移乗動作時の人間にかかる負担、障害の度合いと可能な動作、能力と移乗動作の関係を明らかにし、人間工学的に移乗を容易に行えるシステムの開発を行う。システムとしては、一人で移乗を行える(自立支援)、携帯性に優れ外出先でも使用可能、移乗をスムーズに行える形状、手指に障害を持つ人でも問題なく使える、といった特徴を持たせる。

研究方法
 19年度は開発に際し、既製品とその動作や問題点の調査を行い、移乗システムに必要な点、望まれている点を具体的に明らかにする。特に以上の際に負担となる部分を明確にする。また、移乗者についても移乗に必要な能力、負担、障害の度合い、能力と可能な動作などの関係を調査する。これらの調査から開発する移乗システムに必要な特性を明確にする。
 開発する補助器具としては
・一人で移乗を行える(自立支援)
・携帯性に優れ、外出先でも使用が可能
・移乗をスムーズに行える形状
・手指に障害があっても問題なく使える
という特徴を持つ物とする。
結果と考察
 作業療法士ならびに車いす使用者からの意見調査の結果、現状の移乗に最も使われているトランスファボードには固定がしっかり行えないということからくる安全面での問題があった。また、移乗に要する時間も3分以上かかり、移乗においてもかなりの負担を要した。移乗補助器具の評価基準としては定量的に表現するのは障害の種類、度合いによって困難であると考えた。調査した結果、ストーク・マンデビル方式による評価を取り入れる事により評価判断を行いやすくなると思われる。
 トランスファボードの問題点を改善すべく、簡単な試作機を考案し、設計、試作を行って考案した器具の有用性を確認した。
結論
 本年度は基本的な調査と評価方法の確立、そして次年度に向けて簡単な試作機を製作し、その有用性を確認した。その結果、既存のシステムの問題点の明確化、補助器具の判断基準の提案、試作機により提案するシステムの有用性を確認できた。

公開日・更新日

公開日
2008-03-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-01-22
更新日
-