青年期発達障害者の円滑な地域生活移行への支援についての研究

文献情報

文献番号
200724025A
報告書区分
総括
研究課題名
青年期発達障害者の円滑な地域生活移行への支援についての研究
課題番号
H19-障害-一般-007
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
深津 玲子(国立身体障害者リハビリテーションセンター 病院)
研究分担者(所属機関)
  • 江藤 文夫(国立身体障害者リハビリテーションセンター)
  • 中島 八十一(国立身体障害者リハビリテーションセンター)
  • 寺島 彰(浦和大学総合福祉学部)
  • 高木 晶子(国立秩父学園)
  • 石渡 利奈(国立身体障害者リハビリテーションセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
3,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
初年度は、1)青年期の発達障害者が、発達障害者支援センターから医療機関そして訓練施設を経てハローワーク等雇用支援機関へと、支援を地域で連続的に受けるための支援体制整備を提言するため、地域完結型モデルを所沢周辺地域で構築する(所沢モデル:①発達障害者支援センター、②医療機関、③訓練施設、④雇用支援機関が含まれる)、2)所沢モデルの中で次年度より実際に研究協力者(発達障害者)が支援を受けるための準備として、各機関相談窓口の整備、支援手法を調査・検討することを目的とした。
研究方法
1)連携各機関の相談窓口の設定とその役割、適切な評価方法を定めた。
2)発達障害有識者による勉強会、当事者団体、関係機関等のウエッブサイトや調査・研究報告書を基に支援課題を検討した。
3)学術情報データベース並びに高齢・障害就労支援機構などのデータベースにより、具体的支援プログラム、地域における関連機関との連携の構築について調査を行う。これまで行ってきた高次脳機能障害者に対する支援と比較し、相違点を検討した。
4)研究対象者の登録と基礎調査:研究協力の募集を行い、一次スクリーニングを施行する。当研究対象者として適切と判断された者を研究協力者として登録した。
5)ウェブサイトや書籍を主要な情報源とし、発達障害者を対象とした既存の機器やアプリケーションソフトを調査し、これをWHOの国際生活機能分類ICFに基づき分類した。
結果と考察
1)地域完結型の発達障害者支援体制モデルとして、所沢モデルを整備した。2)研究対象者の登録と基礎調査を行った。その結果評価すべき心身機能は多様であることが示唆された。3)発達障害者に特化した生活訓練・就労移行支援の手法は確立していないことが明らかになったが、既存の障害者支援とくに高次脳機能障害者への支援手法に重なる部分もあることが示唆された。4)発達障害者が社会参加する上で、使用しうる福祉機器が果たすべき補完的手段が把握された。
結論
発達障害者が、地域で職業生活を含めた安定した生活をおくるために必要な支援機関は、①発達障害者支援センター、②医療機関、③訓練施設、④雇用援機関、である。今年度この連携ネットワークを所沢地域中心に整備し、所沢モデルとした。今後この地域モデルに連携した各機関の役割等について検討することにより、発達障害者が青年期以降も地域で支援を連続的に受けるための体制整備を提言する。

公開日・更新日

公開日
2008-04-08
更新日
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