文献情報
文献番号
200724018A
報告書区分
総括
研究課題名
精神障害者の自立支援のための住居確保に関する研究
課題番号
H18-障害-一般-010
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
竹島 正(国立精神・神経センター精神保健研究所)
研究分担者(所属機関)
- 蓑輪 裕子(聖徳大学短期大学部)
- 宮田 裕章(東京大学大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
3,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
精神障害者の住居確保のソフト面の全体像を明らかにして「住居確保の実践的手引き・事例集」にまとめることを最終的な目的としている。本年度研究では、主に精神障害者への民間賃貸住宅の供給に関する不動産業者の意識を把握すること、快適に居住できる建築上の条件を把握すること、グループホーム開設の困難さに影響を与える要因を探索することおよび本人や親等の資産を保護し、住居確保等のための資金として活用するための方策を検討することを目的とした。
研究方法
精神障害者への民間賃貸住宅の供給に関する不動産業者の意識を把握し、困難事例を収集した。また精神障害者が快適に居住できる建築条件を分析した。グループホームを開設した法人に対して困難さと困難さを克服するための工夫について調査した。本人や親等の資産を保護し、住居確保等のための資金として活用するための方策を検討した。精神障害者の住居確保研究会を開催した。
結果と考察
住居確保に協力的な意向を示す不動産業者は約半数あったが適切な医療の提供や生活支援の必要性がうかがえた。快適に居住できる建築条件に関しては防音や防災面の配慮の必要性が高かった。グループホーム開設の困難として、条件に適合した物件の乏しさ、不動産業者・家主の無理解、周辺住民の反対、入居候補者の把握・確保の困難、法人側にかかる開設費用が挙げられた。影響要因として地域性、運営法人の種類、運営法人の実績、行政の支援、景気変動、運営法人と地域との連携、精神障害者の事件報道が挙げられた。成年後見制度により、任意後見契約など多様な手法が活用できる可能性が広がり、親が自分の死後にその資産を確実に活用する制度が整えられていた。信託制度については資産活用に特化して活用することが有効ではないかと考えられた。リバースモーゲッジ、不動産の証券化は高度な技術が求められリスクも高く、現時点では住居確保の資産活用の手法とは考えにくい。本人や親等の資産を保護し、活用する新たな時代環境にふさわしい手法について多様な分野の専門家の力をうまく生かしていく態勢づくりが重要である。住居確保研究会によって「住居確保の実践的手引き・事例集」に掲載すべき事項、事例についての情報を集約的に収集した。
結論
精神障害者の住居確保のソフト面の全体像を明らかする「住居確保の実践的手引き・事例集」にまとめるための情報を収集した。
公開日・更新日
公開日
2008-04-04
更新日
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