文献情報
文献番号
200724013A
報告書区分
総括
研究課題名
障害者自立支援法下での重症心身障害児等に対する施設サービスの効果的な在り方に関する研究
課題番号
H18-障害-一般-005
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
澤野 邦彦(社団法人日本重症児福祉協会)
研究分担者(所属機関)
- 木実谷 哲史(島田療育センター)
- 宮野前 健(国立病院機構南京都病院)
- 小田 浤(旭川荘療育センター療育園)
- 梶原 眞人(愛媛県立中央病院総合周産期母子医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
5,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
障害児・者の療育や支援において極めて大きな役割を果たしてきた、貴重な社会資源である重症心身障害児(以下、重症児)施設や肢体不自由児施設を、障害者自立支援法(以下、支援法)の下でも有効活用し、効率的な運用を図っていくための方策立案に利用しうる客観的な資料を得ること。
研究方法
(1)重症児施設における、支援法に基づく療養介護型施設への移行に関する検討状況、(2)新体系に移行した施設における家族の意識、移行経過と取り組み・検討状況、(3)肢体不自由児施設における地域移行支援と被虐待児への取り組み状況、(4)新生児集中治療室(NICU)における長期入院児の詳細、(5)情報通信技術(ICT)を活用した重症児・者在宅支援システムの、試作システム実証運用における諸要件、(6)オランダの公的保険システム(AWBZ)の改正と国際知的障害会議(IASSID)の動向、等の調査・検討。
結果と考察
(1)公法人立重症児施設では「移行を全く考えていない」が67%、「検討を始めている」が32%で、移行が進むための条件として、障害程度区分の適正化、生活介護該当者の処遇問題の解決、療養介護単価の引き上げが挙げられ、現状では問題点が多く移行困難とする施設が多かった。(2)移行施設での家族の意識調査では、経済的・法的役割での負担感があり、新体系での福祉サービスへの積極的評価は少なかった。移行した国立病院では、福祉的処遇が充実した。(3)肢体不自由児施設では自立能力獲得や被虐待児への支援も多く、これらの評価も望まれた。(4)NICUの1年以上の長期入院児では「退院見通しあり」は33%のみで、退院できない理由は病状によるものと療育施設等受け入れ機関がないためが多かった。超・準超重症児が95%を占め、受け入れ側の体制整備が強く望まれた。(5)ICTによる在宅支援システムはほぼ実用性が確認できた。(6)AWBZは当事者の自主性を重んじた運用となり、「重度重複障害」の略は「PIMD」となった。
結論
重症児施設での新体系移行は、現状では困難とする施設が多く、移行施設での家族の意識でも、新福祉サービスの積極的評価は少なかった。NICUの長期入院児では退院見通しがあるのは33%のみで、退院できない理由は病状によるものと受け入れ機関がないためが多く、超・準超重症児が95%を占め、受け入れ側の体制整備が強く望まれた。
公開日・更新日
公開日
2008-05-14
更新日
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