高次脳機能障害者に対する医療・福祉・就労支援における人材育成に関する研究

文献情報

文献番号
200724011A
報告書区分
総括
研究課題名
高次脳機能障害者に対する医療・福祉・就労支援における人材育成に関する研究
課題番号
H18-障害-一般-004
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
江藤 文夫(国立身体障害者リハビリテーションセンター 更生訓練所)
研究分担者(所属機関)
  • 深津 玲子(国立身体障害者リハビリテーションセンター 病院)
  • 藤井 俊勝(東北大学医学部)
  • 寺島 彰(浦和大学総合福祉学部)
  • 中島 八十一(国立身体障害者リハビリテーションセンター )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
8,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療から就労までの連続した支援体制を築くために、全国的に高次脳機能障害について専門的な知識と技能を有する人材の育成を目指して、情報媒体や研修会等の企画を通じて、人材育成を図るとともに、その方法の有用性の検証を目的とした。
また、あわせてモデル事業からの継続として、一貫したリハビリシステムのモデル作成にも取り組むこととした。
研究方法
高次脳機能障害のリハビリには、医療施設、福祉施設、地域でのホームヘルプサービス、障害者職業センターなどにおいて、それぞれ専門職が関わる。これら多数の専門職がチームとして有効に機能するためには、共通言語と共通の知識と共通の道具が必要である。その形成方法としては、教材の開発と配布、職種に応じた研修と実習を実施するとともに、支援サービスの提供場面に応じた評価スケールを選択し、さらに研修の効果に関わるデータの収集と解析を行うことが必要である。また新しい領域での専門技術の普及は、草の根的な実践活動のなかで得られた有功事例の情報交換と追体験が有用と考えられる。そこで、ワークショップを志向した研修会を企画し、そのためのテキストを作成し、共通言語として討議を円滑にする基盤を構築し、参加者によるそれぞれの地域における研修会企画の普及が研究の帰結として期待される。
結果と考察
第3回までの研修会参加者は作業療法士が約3分の2を占め、市町村行政担当者、社会福祉士、心理士、の順であった。高次脳機能障害者支援支援の手引を作成し、各地で開催される研修会や勉強会の資料として計9350部配布した。本年度の各地における研修会の開催は昨年に比し現在までに約2倍に増加し、うち38%は、本研究におけるワークショップ参加者が主催したものである。障害者自立支援法での地域生活支援事業として各都道府県の高次脳機能障害支援普及事業は位置付けられ、高次脳機能障害についての地方支援拠点機関の設置が望まれる。平成18年4月の時点では13か所で設置されたが、今年の1月現在で26都道府県・政令指定都市に37の支援拠点機関が設置された。政策的に平成24年度までに全都道府県で支援拠点機関を設置することが目標として定められた。
結論
各地での研修会開催状況、支援拠点機関の設置状況を含めて短期的には中央でのワークショップ開催を人材育成の方法とすることで目的は達成されつつあると考える。

公開日・更新日

公開日
2008-04-04
更新日
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