健診受診者のコホート化と運動、栄養介入による生活習慣病予防

文献情報

文献番号
200723001A
報告書区分
総括
研究課題名
健診受診者のコホート化と運動、栄養介入による生活習慣病予防
課題番号
H18-糖尿病等-一般-001
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
渡邊 昌(独立行政法人国立健康・栄養研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 盛岡正博(佐久総合病院)
  • 野田光彦(国立国際医療センター)
  • 佐々木敏(東京大学)
  • 宮地元彦(国立健康・栄養研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 糖尿病戦略等研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
30,255,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
専門家グループにより食事と運動による介入を徹底しておこない、MSあるいは高血糖症の改善効果を数量化して効果をみる。すでにメタボリックシンドロームの対象者も含めて肥満克服プログラムを動かすことは、健康フロンテイアの糖尿病一次予防の研究は対象者が境界型糖尿病に限定されるため、それとの相補的役割も期待できる。遺伝子解析も併用して生活習慣の改善にテイラーメイドヌトリションの可能性を検討でする。
研究方法
佐久人間ドックセンターを受診した4万5000人の中から、40-64歳で2000年以降に受診歴のあるもの、BMIが上位95パーセンタイルに入るもの976名を選出、この中から肥満者を400名えらび、参加をつのり説明会の後「肥満克服プログラム」に参加を希望したものを対象者とした。身体計測に加え、食事歴、生活歴、性格などを調査し、耐糖能試験をおこなった。18年度にベースライン調査として生活習慣、食事調査、運動量調査、基礎代謝量解析(ダグラスバックと2重標識水法)、身体指標・生化学指標・腹部CT、NEO-FFIによる性格調査、肥満に関連した遺伝子多型解析などバイオマーカーをとりいれた調査を終了した。対象者をAB2群にわけ、A群は18年度から行動変容理論に基づいた食事と運動の介入プログラムを実行した。19年度7月からB群にA群と同様の介入を開始した。
結果と考察
糖負荷試験をうけたドック受診者4万人強の集団からBMI30以上の肥満者を250名選出し、インフォームドコンセントをとって管理栄養士による栄養教育と運動指導士による行動変容理論に基づいた介入研究を継続しておこなった。一年で半数が体重5%減、4分の1の対象者が10%減を達成しきわめて良い成績を得た。ベースライン調査結果は、肥満者の特性としてAntiAging Medicineに公刊した。ランダム化したB群に介入中であるが、4ヶ月時点で約3Kgの体重減少をえて、主訴も軽減し、検査結果も改善した。今年7月まで介入を継続し、その後は維持の方法などについても検討する。  
結論
運動と食事の介入で肥満を解消できればメタボリックシンドロームなどの改善が得られる。しかし、体重減少者は5%減が半数程度であり、減量できない理由を明らかにする必要がある。またリバウンドの程度やその防止策も研究する必要がある。

公開日・更新日

公開日
2008-05-13
更新日
-