戦略研究(腎疾患重症化予防のための戦略研究)

文献情報

文献番号
200722061A
報告書区分
総括
研究課題名
戦略研究(腎疾患重症化予防のための戦略研究)
課題番号
-
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
財団法人 日本腎臓財団(財団法人 日本腎臓財団)
研究分担者(所属機関)
  • 山縣 邦弘(筑波大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
250,625,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
透析療法を受けている患者数は毎年1万人以上の増加の一途をたどり、透析患者に費やされる医療費は1兆2千億円を超えている。近年、「慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease: CKD)」という概念が確立され、CKD患者においては末期腎不全に至る危険率が高いだけでなく、心血管系疾患の発症危険率が高いことも明らかにされた。CKD患者数は1000万人前後存在するものと考えられているため、CKDへの対策を強化し透析患者数を減少させることは、わが国の医療費削減と国民健康維持の双方の観点から重要であると考えられる。
CKDの進行を抑制することは可能であることと推察されるが、現状ではCKD診療が、かかりつけ医/非腎臓専門医に徹底されておらず、透析直前になり腎専門医に紹介されるケースも多い。そこで、かかりつけ医/非腎臓専門医と腎臓専門医の間の協力体制を確立し、「CKD診療ガイド」の遵守率・達成度を上げることにより、5年後の透析導入患者数を、予測される5年後の導入患者数の15%減少した値とすることを研究目的とする。
研究方法
CKD患者を対象とし、地区基幹病院あるいは地区医師会を中心とした「かかりつけ医/非腎臓専門医と腎臓専門医間の診療ネットワーク」を募集し、かかりつけ医/非腎臓専門医と腎臓専門医との診療連携を促進するための「慢性腎臓病診療連携支援システム導入群」(介入群)と「通常診療連携群」(対象群)の2群に割り付けるクラスター・ランダム化比較試験を実施する。
結果と考察
本年度は、研究リーダーの選考、研究実施計画書の作成、実施するための組織作り(研究班員および研究支援組織の選考)を行った。一方で参加者確保のために全国での説明会を開始、栄養支援介入に対し日本栄養士会への協力依頼、日本腎臓学会・日本栄養士会との共同作業による指導手順書作製を行った。
結論
本研究では介入群において、かかりつけ医と腎専門医との診療連携を促進させるシステムを導入し、更に管理栄養士をかかりつけ医の診療の場に派遣し栄養・生活指導を行い、診療目標の遵守度を向上させることによる効果を検証する。またそれらのシステムや方法論を汎用化できるものとすることを念頭において研究計画を作成した。本研究の成果により、かかりつけ医におけるCKD診療強化が達成されること、またこの方法論を全国に均填化することにより、わが国における透析導入患者増加に歯止めをかけることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2008-12-18
更新日
-