保健指導への活用を前提としたメタボリックシンドロームの診断・管理のエビデンス創出のための横断・縦断研究

文献情報

文献番号
200722055A
報告書区分
総括
研究課題名
保健指導への活用を前提としたメタボリックシンドロームの診断・管理のエビデンス創出のための横断・縦断研究
課題番号
H19-循環器等(生習)-一般-021
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
門脇 孝(東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科)
研究分担者(所属機関)
  • 島本和明(札幌医科大学附属病院内科学)
  • 清原 裕(九州大学大学院医学研究院環境医学分野)
  • 富永真琴(山形大学医学部器官病院統御学講座)
  • 中尾一和(京都大学大学院医学系研究科臨床病態医科学)
  • 伊藤千賀子(グランドタワーメディカルコートライフケアクリニック)
  • 磯 博康(大阪大学大学院医学系研究科社会環境医学講座)
  • 伊藤貞嘉(東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座)
  • 山田信博(筑波大学大学院人間総合科学研究科内分泌代謝・糖尿病内科)
  • 齋藤 康(千葉大学大学院医学研究院細胞治療学)
  • 野田光彦(国立国際医療センター糖尿病・代謝症候群診療部)
  • 山内敏正(東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科 )
  • 原 一雄(東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科 )
  • 岡村智教(国立循環器病センター予防検診部)
  • 北村明彦(大阪府立健康科学センター健康開発部)
  • 島袋充生(琉球大学医学部附属病院第二内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
40,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成17年にメタボリックシンドロームに関する我が国の診断基準が策定され、平成20年度よりメタボリックシンドロームの概念に着目した特定健診・特定保健指導が開始される。メタボリックシンドロームは心筋梗塞・脳卒中などの心血管疾患を惹起しやすく、日本人の健康寿命の延伸を妨げる大きな原因となっている。本研究は、心血管疾患の高リスク者のスクリーニングという観点から日本人における最適なメタボリックシンドロームの診断基準の根拠となるエビデンスを創出することを目的とする。
研究方法
我が国でフォローアップ開始時にウエスト周囲径を測定してあり、その後の心血管疾患イベントを把握しているコホート研究チームとして北海道端野・壮瞥町、山形県舟形町、福岡県久山町(第3集団)、MONKS、広島健診受診者集団、茨城県筑西市協和地区、大阪府八尾市南高安地区、大阪府吹田市、沖縄県豊見城市検診集団の計9つが参加し、総勢2万4000人を対象とする全国規模の調査を行う。①「これまでに既に発生した心血管イベントとウエスト周囲径のROC曲線から、最適なウエスト周囲径を統合的な後向きコホート研究により決定する」、②「平成20年度以降はウエスト周囲径の測定法と心血管イベントの定義を共通化したプロトコールに基づいて前向きにフォローし、統合的な解析を行う」の2つを主たる研究手法に据える。
結果と考察
統合データベースの構築に向けて、メタ解析を可能とするべく各種パラメーターの調整と心血管疾患のイベントの定義ならびにエンドポイントの設定を行った。脳卒中に関しては、コホート間での差異は少ないものと考えられたが、心筋梗塞・狭心症・急性死に関しては、無症候性心筋梗塞・労作性狭心症・PCI症例などの取り扱いに各コホート間で差異が存在し、一定のクライテリアを策定する必要性が確認された。さらに、メタボリックシンドロームの病態の本質に迫るべく、施行可能なコホートにおいて腹部CTによる内臓脂肪面積と血中総アディポネクチン、高分子量アディポネクチン値などを測定し、メタボリックシンドロームの診断基準項目に血中アディポネクチン値などを加えることの有用性についても検討することとした。
結論
オールジャパンの地域コホートや健診受診集団を対象とした本研究の成果により、一層効果的な特定健診・特定保健指導が可能となり、心血管疾患発症率の抑制を通じて国民全体の健康増進に資することが期待される。

公開日・更新日

公開日
2008-06-23
更新日
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