メタボリックシンドロームの保健指導に歯科的な観点を導入することの効果に関する研究

文献情報

文献番号
200722054A
報告書区分
総括
研究課題名
メタボリックシンドロームの保健指導に歯科的な観点を導入することの効果に関する研究
課題番号
H19-循環器等(生習)-一般-020
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
柳澤 繁孝(大分大学医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 吉松 博信(大分大学医学部)
  • 田川 俊郎(三重大学医学部)
  • 草間 幹夫(自治医科大学)
  • 花田 信弘(国立保健医療科学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
6,526,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 早食いが肥満の原因となることが幾つかの観察研究において示唆されている。また、早食いを是正は肥満症患者の治療にも効果があるとされ「咀嚼法」として肥満症治療ガイドラインにおける行動療法の1つとして位置づけられている。
 しかしながら、咀嚼法がメタボリックシンドロームの改善や予防に有効であるかどうかを検討した疫学研究は行われていなかったため、この点を明らかにすることを目的とした健常成人に対する介入研究に着手した。
また、入院下の肥満症患者を用いて咀嚼法の空腹・満腹感覚に対する効果を調べた。

研究方法
1) 健常成人に対する介入研究

 今回行った介入対策(咀嚼法)は、実際に定められた内容を遵守することに困難・抵抗が予想されることから、対象者は一般の人々ではなく、研究班メンバーが勤務する大学講座の医局員等とした。対象者は、研究期間中(3ヶ月間)、毎食時に一口30回噛むように指示され、これを遵守したか否かを毎食・毎咀嚼時時に記録した。研究の前後および期間中に計3回、体重・腹囲や食行動・生活習慣の質問紙調査などを行った。

2) 肥満症患者に対する介入研究

 肥満症患者13例に入院下で1日400キロカロリーの超低エネルギー食を導入した。それぞれの患者の満腹感、空腹感を、咀嚼法導入前の入院前と、咀嚼法を行っている入院後においてvisual analogue scaleで解析した。
結果と考察
1) 健常成人に対する介入研究

 本年度は研究に関わった3大学の講座医局員67名を対象として介入研究を行った。本報告書では、全体の研究計画と執行状況について述べる。
 なお現在、データを整理し、解析の準備を行っている段階で、次年度の研究報告書において詳しい結果を報告する予定である。

2) 肥満症患者に対する介入研究

 その結果、空腹感は入院前後で著変は認めなかったが、満腹感のスコアは大きく減少し、少量の食事摂取であっても咀嚼法によって満腹感が形成されることが示唆された。

結論
健常成人67名に対して3ヶ月間にわたる咀嚼法による介入研究を行った。
肥満症患者に対して超低エネルギー食を導入した場合、咀嚼法によって満腹感が形成されることが示唆された。

公開日・更新日

公開日
2008-04-21
更新日
-