災害の種類別シミュレーション訓練のモデル作成に関する研究

文献情報

文献番号
199700351A
報告書区分
総括
研究課題名
災害の種類別シミュレーション訓練のモデル作成に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
邉見 弘(国立病院東京災害医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 原口義座(国立病院東京災害医療センター)
  • 金子正光(札幌医科大学)
  • 加来信雄(久留米大学医学部)
  • 友保洋三(国立病院東京災害医療センター)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 災害時支援対策総合研究事業
研究開始年度
平成8(1996)年度
研究終了予定年度
平成10(1998)年度
研究費
9,250,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
多種・多様な災害に対し、適切な医療対応ができるようなシミュレーションモデルとマニュアルを作成することを主な目的とする。
研究方法
当研究班は、広範囲にわたる研究テーマを扱い、5つの分野にわかれて、研究を開始した。班別に各々代表的な災害を取り上げ、まずシミュレーションモデルを作成する。その上で、有機的な連関を模索する方法をとった。
結果と考察
邉見班は、大火災等における熱傷患者発生時の対応に関してシミュレーションモデル作成に必要な項目として、阪神大震災及び平時における熱傷患者数、必要な医療資源等、広域搬送(航空機搬送)の必要性、情報体制、凍結保存皮膚・スキンバンクネットワークに関する正確なデータを集積した。
加来班は、航空機事故、列車・高速道路事故の大きさと負傷者数等を時間的・地域的要因別に分類し、シミュレーションモデル作成時の設定す べき条件を確定した。 
友保班は東京の直下型地震をモデルとして、更に阪神大震災を参考に、シミュレーションモデル作成に必要な、各種の基礎的項目を多数洗い出した。
原口班は、原子力災害等のシミュレーションモデル・マニュアルを、今回暫定案であるが、作成した。またサリン災害のシミュレーションモデルも作成を開始した。
金子班は、過疎地等の特殊環境下の災害対策に関しては、我が国は、モデルが少ないため、シミュレーションモデル作成時の障害となる項目を克服して行く必要性があり、本年は、具体的なシミュレーションモデルとして、離島を大離島、小離島、遠隔離島の3形態にわけて検討した。
結論
班全体として当初の方針は貫かれているが、新たに加えるべき今後の方向性についても いろいろな観点から検討がなされ、特に次の2点が主要な問題となった。一つは、災害が多種・多様であることを考慮する典型的なシミュレーションモデルの研究のみでなく、他の要素も加味し、柔軟性を持たしたシミュレーションモデルを作成するとの結論に至った。
他は、医療部門として、全ての災害に共通する必須項目として速やかな搬送の方法(特に医療チーム搬送、被災患者搬送)の確立の問題であり、これらについても積極的に進めるべきであると考えられた。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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研究報告書(紙媒体)