日本人の食事摂取基準の活用方法に関する検討

文献情報

文献番号
200722037A
報告書区分
総括
研究課題名
日本人の食事摂取基準の活用方法に関する検討
課題番号
H19-循環器等(生習)-一般-003
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
由田 克士(独立行政法人国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム)
研究分担者(所属機関)
  • 山本 茂(お茶の水女子大学)
  • 石田 裕美(女子栄養大学)
  • 今枝 奈保美(名古屋女子大学)
  • 荒井 裕介(独立行政法人国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム)
  • 宇津木 恵(独立行政法人国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラム)
  • 吉池 信男(独立行政法人国立健康・栄養研究所)
  • 三浦 克之(滋賀医科大学)
  • 佐々木 敏(東京大学)
  • 柴田 克己(滋賀県立大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
21,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本人の食事摂取基準は、健康な個人または集団を対象として、国民の健康の維持・増進、エネルギー・栄養素欠乏の予防、生活習慣病の予防、過剰摂取による健康障害の予防を目的として、エネルギー及び各栄養素の摂取量を示したものである。しかし、日本人の食事摂取基準(2005版)本編に示されている個人・集団に対する評価と計画の基本的な対応(活用に関する考え方)は、アメリカ・カナダにおける Dietary Reference Intakes(DRIs)の活用に関する考え方がほとんどそのままの形で示されているだけで、諸条件が異なるわが国の実践現場において、何の問題もなく、適切に対応できているとは考え難い。しかし、これまでこの種の本格的な議論はあまり行われていない。そこで、本研究においては、わが国の状況に応じた食事摂取基準の活用方法を検討し具体化させることを目的とする。
研究方法
19年度は、具体的な活用方法を検討するため情報を得るため、諸外国における食事摂取基準等の考え方や活用状況等に関する情報収集と国内の管理栄養士等へのアンケート調査等を実施した。
結果と考察
アメリカにおいて、DRIsの基本的な考え方は、ほぼコンセンサスが得られているが、その活用については未だ十分な議論は深まっておらず、今後数年以上の研究や実証が必要であるとの意見が強い。ヨーロッパ諸国や韓国では、各国の状況に応じて考え方や取り扱い方が異なり、現場における具体的な活用方法も確定的な対応は確立されていなかった。 国内の管理栄養士等へのアンケート調査からは、日本人の食事摂取基準(2005年版)の活用に際して難しいと考えている内容として、「個人に対する計画」、「複数の指標や幅の考え方がある」、「各指標の定義や意味するところなどが上げられた。また、次期策定後に理解を深めるため、まず、活用方法に関する書籍の発行が最も求められていた。
結論
DRIs(DRVs)の活用方法に関する研究は各国内のさまざまな要因が反映されており、何れにおいても未だ発展途上の段階である。今回得られた知見はわが国の食事摂取基準の望ましい活用法を検討する上で重要な資料となる。今後の対応としては、米国・カナダにおけるDRIsの考え方のみに重きを置かず、その他の国の動向にも考慮しながら、わが国の制度や状況にも応じた科学的根拠に基づく食事摂取基準の活用方法について検討がなされる必要がある。

公開日・更新日

公開日
2008-04-23
更新日
-