生活習慣病一次予防に必要な身体活動量・体力基準値策定を目的とした大規模介入研究

文献情報

文献番号
200722033A
報告書区分
総括
研究課題名
生活習慣病一次予防に必要な身体活動量・体力基準値策定を目的とした大規模介入研究
課題番号
H18-循環器等(生習)-若手-002
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
高橋 佳子(独立行政法人国立健康・栄養研究所 健康増進プログラム)
研究分担者(所属機関)
  • 宮地元彦(独立行政法人国立健康・栄養研究所 健康増進プログラム)
  • 田畑泉(独立行政法人国立健康・栄養研究所 健康増進プログラム)
  • 佐々木敏(東京大学大学院・医学研究科)
  • 樋口満(早稲田大学 スポーツ科学学術院)
  • 宮武伸行(岡山県南部健康づくりセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
29,505,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、平成18年8月に改訂された「健康づくりのための運動基準2006」および「エクササイズガイド2006」で示されている、健康増進、特に生活習慣病予防に有効な身体活動量の基準値の妥当性を検討することを目的とした。
研究方法
平成19年度は、大規模運動介入研究を進める上で必要な1)運動介入プログラムの確立と効果確認、2)研究参加志望者の募集とベースライン測定、3)約1000名のベースライン測定値の分析を行った。以上の成果をもとにして、本研究の核となる身体活動介入を、無作為割り付けされた一部の参加者を対象として実施中である。
結果と考察
1)110名の研究参加者を対象に活動量計の貸与と4回の集団ならびに個別健康指導により、12ヶ月間で歩数を1,600歩、1日の中強度以上の身体活動量を0.8METs/時増加させることができることを証明した。2)研究参加希望者に対する研究参加の同意の取り付けと、ベースライン測定ならびに被験者登録が1065名完了した。そのうち、276名が割り付け・介入が始まっている(平成19年11月30日現在)。3)本研究の登録者で、活動量計で測定した3METs以上の強度の身体活動量が運動基準2006の身体活動量基準の3.3METs・時/日を満たす者は、43.3%、満たさない者は56.7%であり、後者の半数は運動・食事介入群に、半数は食事介入群に割り付けられた。群別に栄養素等摂取量および食品群別摂取量を検討した。ビタミンB群において群間で有意な差が認められが、その他の多くの栄養素、食品別摂取量、基本的特性では差が認められなかった。活動強度を考慮した身体活動量が3.3METs・時/日を超えるようなEx活動群ではEx非活動群と比較して、中性脂肪が有意に低く、さらに動脈の硬化度の指標である脈波伝播速度および頸動脈IMTにおいても有意に低い値を示した。

結論
以上の研究進行状況を踏まえ、今後平成20年度末までに、より多くの被験者の介入を完了し、各生活習慣病危険因子への介入効果について検討していきたい。

公開日・更新日

公開日
2008-04-21
更新日
-