多施設共同研究:小児・思春期(若年)発症2型糖尿病の合併症発症率の経年的全国調査

文献情報

文献番号
200722031A
報告書区分
総括
研究課題名
多施設共同研究:小児・思春期(若年)発症2型糖尿病の合併症発症率の経年的全国調査
課題番号
H18-循環器等(生習)-一般-050
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
内潟 安子(東京女子医科大学 医学部 糖尿病センター)
研究分担者(所属機関)
  • 岩本 安彦(東京女子医科大学 医学部 糖尿病センター )
  • 田嶼 尚子(東京慈恵会医科大学医学部)
  • 西村 理明(東京慈恵会医科大学医学部)
  • 吉岡 成人(北海道大学医学部)
  • 菊池 信行(横浜市立大学医学部)
  • 浦上 達彦(日本大学医学部)
  • 武田 倬(鳥取県立中央病院)
  • 岡田 泰助(高知県もみのき病院)
  • 荒木 栄一(熊本大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1)全国規模の専門病院(全国に10,000人あまりいる日本糖尿病学会員にいる施設)における調査から20歳未満発症2型糖尿病のデータベースを構築する、
2)このコホートを前向きに追跡し、治療の実態、合併症の累積発生率、就職状況などの生活の質を明らかにする、
3)合併症の頻度・重症度およびその危険因子の解析をする
研究方法
調査への協力の得られたわが国の20歳未満で発症し、2006年度末までに現在30歳未満の2型糖尿病患者を対象とする。
結果と考察
1. 内科診療と小児科診療にまたがる2006年から2007年の、若年2型糖尿病患者の臨床像をとらえることができた。
2. 60から70%は学校検尿で発見されているが、学校検尿がない高校生以上の年齢で発症した場合は内科で多く加療されている。
3. 過去BMIや現在の腹囲は内科登録男性群がぬきんでて高値であるが、小児科登録女性群の肥満体型も注目される。
4. HbA1c、血圧、コレステロール値は内科登録群で小児科登録群より高値であるが、2群ともHOMA-IR値が高く、上流のメタボリックシンドロ−ムの存在が疑われる。
5. 内科群の6%はすでに光凝固が施行されていて、微量アルブミン尿は全体の13%にあり、大血管障害として壊疽1名、指趾切断1名いた。
結論
20歳未満で発症した現在30歳未満の2型糖尿病患者の登録時臨床背景は肥満体型であり、高校生以上になってからも各群30から40%は発症しており、また30歳未満ながら、網膜症、腎症を合併するものが6から13%程度にいた。大血管合併者は趾切断の1名であった。

公開日・更新日

公開日
2008-05-02
更新日
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