生活習慣病対策における健診・保健指導による行動変容にかかる成功事例の収集及びガイドラインの作成に関する研究

文献情報

文献番号
200722025A
報告書区分
総括
研究課題名
生活習慣病対策における健診・保健指導による行動変容にかかる成功事例の収集及びガイドラインの作成に関する研究
課題番号
H18-循環器等(生習)-一般-043
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
中原 俊隆(京都大学医学部公衆衛生学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 里村 一成(京都大学医学部公衆衛生学教室)
  • 岩永 資隆(京都大学医学部公衆衛生学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
5,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
全国の市町村、保健所等の健診による糖尿病やその予備軍の選択方法を調査し、効果的な選択方法を検討する。また、選択された対象者に関しての保健指導を調査し、その方法の比較、成功例の検討をソーシャルマーケティングの手法で分析し効果的な方法を見出す。メタボリックシンドロームを含む、他の生活習慣病について糖尿病と同様の視点から成功例のみでなく問題点や失敗例についても情報を収集し、生活習慣病に対する効果的な健康診査のあり方、保健指導の方法、一般市民への情報の発信の方法をマニュアル化する。
研究方法
平成18年11月に全国の市区町村と保健所の健康教育担当保健師あてに郵送によるアンケート調査を行い、健診を受診するようになった事例、健康教室に参加するようになった事例、予防行動をとるようになった事例、医師・保健師・栄養士等による指導内容に従うようになった事例、指示に従った結果良好な健康状態を保てた事例、指示に従った結果健康状態が改善した事例、保健所においては予防以外の行動変容事例等について自由記載を依頼した。収集された事例を①年齢・性別・居住状況 ②保健指導の対象となったきっかけ ③問題点・既往歴 ④介入の方法 ⑤経過 ⑥結果 ⑦指導者の感想・指導のポイントという観点により選択し、不足部分は聞き取り調査により詳細を追加した。また、研究協力者の糖尿病内科クリニックからの事例も加えた。倫理面への配慮として、「京都大学医の倫理委員会」の承認を得た。
結果と考察
自治体から約700例、糖尿病内科クリニックから27例の事例が寄せられた。自治体からの事例のうち、74事例の内訳:①無関心期5(運動指導1、その他4)②前準備期21(食事指導7、その他14)③準備期35(運動指導6、食事指導4、その他25)④前期実行期6(運動指導1、食事指導2、その他3)⑤後期実行期3、(食事指導1、その他2)⑥維持期4(その他4)。
前準備期や準備期に対する介入の事例が多く、多くの場合食事と運動の両方への介入が行われていた。クリニックからの報告事例は、無関心期5、前準備期18、準備期4であった。
結論
今年度は100例程度を載せた成功事例集として冊子化し、市区町村、保健所に配布し、評価と関連する保健指導の失敗事例の報告を求め、それらの観点からも保健指導の要点に考察を加え、指導のポイント集を作成する。また、それらを活用したデータベース作りへの発展も検討している。

公開日・更新日

公開日
2008-04-11
更新日
-