大腸がん肝転移症例の術後補助化学療法に関する研究

文献情報

文献番号
200721064A
報告書区分
総括
研究課題名
大腸がん肝転移症例の術後補助化学療法に関する研究
課題番号
H19-がん臨床-一般-024
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 知行(愛知県がんセンター中央病院)
研究分担者(所属機関)
  • 島田 安博(国立がんセンター中央病院)
  • 森谷 宜皓(国立がんセンター中央病院)
  • 佐藤 敏彦(山形県立中央病院)
  • 澤田 俊夫(群馬県立がんセンター)
  • 高橋進一郎(国立がんセンター東病院)
  • 滝口 伸浩(千葉県がんセンター)
  • 杉原 健一(東京医科歯科大学大学院)
  • 赤池 信(神奈川県立がんセンター)
  • 藤井 正一(横浜市立大学附属市民総合医療センター)
  • 瀧井 康公(新潟県立がんセンター新潟病院)
  • 山田 哲司(石川県立中央病院)
  • 石井 正之(静岡県立静岡がんセンター)
  • 山口 高史(京都医療センター)
  • 大植 雅之(大阪府立成人病センター)
  • 三嶋 秀行(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター)
  • 加藤 健志(箕面市立病院胃腸センター)
  • 岡村 修(関西労災病院)
  • 棚田 稔(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター)
  • 白水 和雄(久留米大学病院)
  • 高橋 慶一(都立駒込病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
37,150,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
大腸がん肝転移切除後の再発抑制を目的として,肝切除+mFOLFOX6療法の安全性と術後5年生存率上での臨床的有用性を検証する。
研究方法
・ 大腸癌肝転移完全切除例を手術単独群と手術+mFOLFOX6(12サイクル)群の2治療群に無作為割付を行う。 
・ 肝切除後の肝機能に対する有害事象を知るために第Ⅱ相試験を行い,引き続いて第Ⅲ相試験に入るⅡ/Ⅲ相試験を実施する。
・ 第Ⅱ相試験の評価項目:主評価項目は治療完遂割合。
 第Ⅲ相試験の評価項目:主評価項目は無再発生存期間, 副評価項目は全
            生存期間,有害事象,再発形式。                     
 予定登録症例数:Ⅱ相試験部分:1群33例,計66例 
         Ⅲ相試験部分:Ⅱ相試験部分も合わせて1群150例,計
         300例     
・ 年次計画:平成19年2月に日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の倫理審査委員会で研究計画が承認された。
 平成19年度はmFOLFOX6の第Ⅱ相試験部分の66例を早期に集積して安全性
 を検証し,引き続いて第Ⅲ相試験の症例登録を行う。
 平成20年度,21年度は第Ⅲ相試験の症例集積に努める。
 両群とも登録後5年間経過観察する。
結果と考察
[結果]平成19年度は,JCOGで承認が得られた後に各参加施設は施設倫理審査委員会の審査を受け,平成20年2月までに全38施設が承認を受けた。平成20年2月までの登録症例数は29例である。
 未だプロトコール完遂例は少ないが、平成20年2月までに急送報告を要する有害事象の報告例はない。
 [考察]肝転移切除の補助化学療法については国内外で多くの検討がされてきたが,未だ有効な前向き臨床試験の成績は存在しない。また,肝切除にFOLFOX療法を行った時の有害事象に関する第Ⅱ相試験の報告はない。
 本研究は平成16?18年度の厚生労働科学研究費補助金;がん臨床研究事業(H16-がん臨床-一般032)の研究成果に基づいて行う研究であり,肝転移切除例に対して本邦で行える最新の全身化学療法(mFOLFOX6)を術後に追加する臨床的意義を検証する。このような臨床試験は今まで試みられておらず,転移性大腸がんの予後改善のための治療法評価として極めて重要である。 
 
結論
大腸癌肝転移治癒切除例に対するmFOLFOX6の有用性を検証する第Ⅱ/Ⅲ相試験を平成19年4月から開始した。
 登録症例数は平成20年2月までで29例と少ないが、平成20年2月までに急送報告を要する有害事象の報告例はない。

公開日・更新日

公開日
2008-06-20
更新日
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