生活習慣や支持療法等が乳がん患者のQOLに与える影響を調べる 多目的コホート研究

文献情報

文献番号
200721046A
報告書区分
総括
研究課題名
生活習慣や支持療法等が乳がん患者のQOLに与える影響を調べる 多目的コホート研究
課題番号
H19-がん臨床-一般-006
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
山本 精一郎(国立がんセンターがん対策情報センターがん情報・統計部)
研究分担者(所属機関)
  • 安藤 正志(国立がんセンター中央病院第一領域外来部第二通院治療センター)
  • 岩崎 基(国立がんセンターがん予防・検診研究センター予防研究部)
  • 下山 直人(国立がんセンター中央病院手術部)
  • 今津 芳恵(財団法人パブリックヘルスリサーチセンター・日本大学板橋病院心療内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
24,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1万人の乳がん患者からなる前向き大規模コホートを立ち上げ、追跡することにより、生活習慣や痛みと支持療法、代替療法、心理社会的要因などのさまざまな要因が、その後のQOLや予後に与える影響を調べることを目的とする。
研究方法
乳がん患者に対する治療法の評価を行う複数の多施設共同臨床試アなどとの共同研究として乳がん患者の多目的コホート研究を実施する。臨床試験に登録された乳がん患者を対象に本研究の質問票への回答を依頼し、収集したデータをベースラインデータとし、共同研究である臨床試験から得られるQOLや予後に関する情報を用いて、上記要因とその後のQOLや予後との関連を検討する。
結果と考察
今年度は、研究の全体計画の策定を行うとともに、実際に、2つの多施設共同臨床試験との共同研究として「乳がん患者の多目的コホート研究05」、「乳がん患者の多目的コホート研究06」の研究計画書および質問票を作成した。前者は術後5年経過時点の患者2500人を対象に調査を行う予定で、すでに登録を開始し、対象者に対し、質問票の配布と回収を行っている。後者については、手術前の患者1700人を対象に、術前、術直後、術後約1年の3回調査を行う予定であり、現在、臨床試験に参加する各施設での倫理審査委員会にて審査中である。
また、乳がん患者の主たる術後慢性痛であるリンパ浮腫、乳房切除後疼痛症候群、幻乳痛について、患者自身が評価を行うための自記式質問票の開発を行い、本研究で用いることとした。
今後、引き続き質問票の配布と回収を進め、得られたベースラインデータを用いて、さまざまな要因とその後のQOLや予後との関連を検討する予定である。

結論
本研究では、複数の多施設共同臨床試験などとの共同研究として乳がん患者の大規模コホート研究を実施する。1年目の今年度は、2つの臨床試験の共同研究として、コホート研究を開始した。
今後、今年度作成した研究計画書および質問票をベースに、他の臨床試験との共同研究を行う予定である。これにより、さまざまな時期にある乳がん患者のデータを得、生活習慣や痛みと支持療法、代替療法、心理社会的要因などと、その後のQOLや予後との関連についての臨床試験に次ぐ質の高いエビデンスを創ることができるとともに、患者や家族、医療関係者、拠点病院への情報として発信され、がん患者に対する政策決定の基礎資料とすることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2008-05-27
更新日
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