がん対策の実施基盤及び推進体制に関する国際比較研究

文献情報

文献番号
200721039A
報告書区分
総括
研究課題名
がん対策の実施基盤及び推進体制に関する国際比較研究
課題番号
H18-がん臨床-若手-003
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
武村 真治(国立保健医療科学院公衆衛生政策部地域保健システム室)
研究分担者(所属機関)
  • 山田 雅子(聖路加看護大学看護実践開発研究センター)
  • 梅田 恵(オフィス梅田)
  • 坪野 吉孝(東北大学大学院法学研究科)
  • 西村 秋生(国立保健医療科学院研修企画部国際協力室)
  • 寶珠山 務(産業医科大学産業生態科学研究所環境疫学)
  • 成川 衛(北里大学薬学部医薬開発部門)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
13,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん対策の実施基盤及び推進体制に関して、諸外国の実態を把握し、国際比較研究を実施し、わが国への適用可能性を分析することによって、効果的かつ効率的ながん対策のあり方を検討する。
研究方法
文献調査、現地訪問調査等を実施し、諸外国のがん対策の関連法規や関連計画、予防、早期発見、治療、緩和ケア、人材育成、研究開発等の施策・事業の内容、国と地方自治体の連携と役割分担等を把握した。
結果と考察
 アメリカでは、国レベルのがん対策の総合計画は策定されていないが、Healthy People 2010の重点分野としてがんが位置づけられ、がんの死亡率、皮膚がん予防対策を実施している人の割合、禁煙・運動・がん検診を勧める医師・歯科医師の割合、がん検診(子宮、乳、大腸)の受診率、がん登録を実施する州の数、がん診断後の5年生存率の目標値が設定されている。2006年の中間評価では、目標値への達成状況は良好であるが、健康格差は改善されていないと評価されている。
 州レベルのがん対策の総合計画としてCCC計画(Comprehensive Cancer Control Plan)が策定されている。CCCは「予防、早期発見、治療、リハビリテーション、緩和ケアを通じてがんの発生率、罹患率、死亡率を低減するための統合的かつ協調的アプローチ」と定義され、リスクの減少(予防)、早期発見、よりよい治療、生存の促進、健康格差の是正を目指した取り組みである。CDCは計画策定ガイドラインの開発、計画を支援するウェブサイト(Cancer Control PLANET、CancerPlan.org)の開設、研修等の支援を行っている。
 2007年末現在、全50州のうち49州がCCC計画または州がん計画を策定していた。計画書の中に「予防」、「早期発見」の章・節を含む州は8割以上、「治療」の章・節を含む州は約7割、「生存」、「健康格差」の章・節を含む州は約6割と州によって計画書の構成が異なっていた。
結論
アメリカでは、Healthy People 2010の中でがんに関する目標値が設定されていること、州レベルでがん対策の総合計画が策定・推進されていること、連邦政府のagency(CDC、NCI等)や関係団体(American Cancer Society等)が州政府に対する経済的・技術的支援を行う体制が整備されていることなどが示された。

公開日・更新日

公開日
2008-06-26
更新日
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