医療機関がん診療機能の客観的・第三者評価標準システムに関する開発研究

文献情報

文献番号
200721030A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機関がん診療機能の客観的・第三者評価標準システムに関する開発研究
課題番号
H18-がん臨床-一般-018
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
坪井 栄孝(財団法人日本医療機能評価機構)
研究分担者(所属機関)
  • 河北博文(財団法人日本医療機能評価機構)
  • 高上洋一(国立がんセンター中央病院)
  • 今中雄一(財団法人日本医療機能評価機構)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
8,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国の大きな課題である、がん医療機能の均てん化を図るためには、地域や医療施設のがん診療機能を評価する方法論やシステムを確立する必要があるが、現在確立したものはない。その一方で一般的な医療機能に対する評価システムは定着しつつあるので、かかる評価を基盤として、上乗せ基準が作れれば、効率的な評価が期待できる。本研究では、がん診療に携わる病院について、質的・量的な指標をもって専門的、客観的に機能を評価するシステムを構築し、全国レベルでその実態を把握することにある。
研究方法
専門家からの意見聴取並びに既存の論文・資料等をもとに「がん診療機能評価の評価項目」案を策定した。それをもって、がん診療連携拠点病院5施設を対象とし、評価指標を利用したがん診療機能の評価の実地検証にて、がん診療に関係する各部門責任者よりヒアリングを行った。一部で、部署訪問、診療会議への参加、書類確認なども行った。これらを踏まえて評価指標体系を見直した。がん診療に関わる情報公開の実態についても調査した。また、病院の役割・機能に応じて、総合的がん診療施設、都道府県がん診療連携拠点病院、入院化学療法施設、外来化学療法施設、放射線治療施設に分類し、評価する項目の適用範囲の設定を検討した。
結果と考察
専門家意見と学術的専門的資料に基づきがん診療機能評価の体系を改訂するプロセスを進めることができ、評価指標体系を開発することができた。一方で情報公開の実態と課題が検討できた。また各領域においてがん診療の質を担保するために必要な人員配置と、求められる専門的知識・能力が同定された。がん診療機能に関する情報公開の現状の把握と課題の検討を行った。地域の中核病院5施設を対象としたヒアリングより妥当性と具体的・明示的な評価体系に向けての課題が確認された。
結論
ヒアリングの結果、病理診断、化学療法、放射線治療、緩和ケア、薬剤部、がん看護の各領域におけるわが国のがん診療に関連した問題点が明らかになった。また各領域において、質の高いがん診療に必要な診療提供体制やマネジメントシステム、ケアのプロセスが同定された。また地域の中核病院5施設を対象とした評価指標に関するヒアリングを行った。より具体的・明示的な評価指標体系に基づく次年度予定の全国レベルの調査の実施・分析に向けて、評価項目の妥当性を確認して課題を検討することができた。

公開日・更新日

公開日
2008-04-08
更新日
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