進行・再発子宮頸癌に対する標準的治療体系の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200721023A
報告書区分
総括
研究課題名
進行・再発子宮頸癌に対する標準的治療体系の確立に関する研究
課題番号
H18-がん臨床-一般-011
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
嘉村 敏治(久留米大学医学部産婦人科)
研究分担者(所属機関)
  • 笠松 高弘(国立がんセンター中央病院)
  • 吉川 裕之(筑波大学大学院人間総合研究科)
  • 齋藤 俊章(独立行政法人国立病院機構九州がんセンター)
  • 佐治 文隆(独立行政法人国立病院機構呉医療センター)
  • 小西 郁生(京都大学大学院医学研究科)
  • 岩坂 剛(佐賀大学医学部)
  • 櫻木 範明(北海道大学大学院医学研究科)
  • 山本 嘉一郎(近畿大学医学部堺病院)
  • 杉山 徹(岩手医科大学医学部)
  • 瀧澤 憲(財団法人癌研究会有明病院)
  • 戸板 孝文(琉球大学医学部)
  • 喜多川 亮(久留米大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
14,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本邦において子宮頸がんの予後向上を計るためには化学療法の導入が必要であると考えられるが、現在本邦にはエビデンスの高い化学療法は存在しない。米国ではcisplatinとpaclitaxelを組み合わせたTC療法が標準的化学療法となっている。しかしながらcisplatinは神経毒性が強く、また腎毒性があるために大量の輸液を必要とする。そこでcisplatinの代わりに神経毒性、腎毒性が低いcarboplatinをpaclitaxelと組み合わせたTC療法の抗腫瘍効果、有害事象について第2相試験で評価した。その結果TP療法に匹敵する結果が得られたので、TC療法とTP療法についてを無作為化比較試験を行うこととした。
研究方法
無作為化第3相試験を行う。対象は進行・再発頸がんとした。TP療法、TC療法それぞれに6コースを予定した。本試験は非劣性試験として行い、primary endpointは全生存期間、secondary endpointは無増悪生存期間、有害事象発生割合、奏功割合、予定治療期間中の非入院日数の割合とした。予定登録症例数はかく治療群125例、症例集積期間は2.5年、追跡期間1年間、総研究期間3.5年とした。本試験は厳密なインフォームドコンセントのもとに行われ、データセンターをJCOGとし、参加施設はJCOG婦人科腫瘍グループの30施設でスタートした。
結果と考察
平成18年2月より症例登録を開始した。平成20年3月末までに155例の症例登録があった。平成20年1月にJCOG効果・安全制評価委員会にて中間評価が行われたが、重篤な有害事象は現在のところまでは認められておらず、研究続行の許可が得られ、現在さらに症例集積中である。
結論
現在症例集積中であるため、結論は出せないが、中間評価にて本試験が安全に行われており、重篤な有害事象は現在のところまでは認められていない。本研究の結果により次世代の子宮頸がんの治療に大きな変化がもたらされることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2008-04-02
更新日
-