再発小細胞肺がんに対する標準的治療法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200721022A
報告書区分
総括
研究課題名
再発小細胞肺がんに対する標準的治療法の確立に関する研究
課題番号
H18-がん臨床-一般-010
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
西脇 裕(国立がんセンター東病院 臨床検査部)
研究分担者(所属機関)
  • 西條 長宏(国立がんセンター東病院)
  • 田村 友秀(国立がんセンター中央病院)
  • 森 清志(栃木県立がんセンター)
  • 岡本 浩明(横浜市立市民病院)
  • 野田 和正(神奈川県立がんセンター)
  • 横山 晶(新潟県立がんセンター新潟病院)
  • 樋田 豊明(愛知県立がんセンター)
  • 今村 文生(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病せんたー)
  • 松井 薫(大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター)
  • 中川 和彦(近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門)
  • 武田 晃司(大阪市立総合医療センター)
  • 木浦 勝行(岡山大学)
  • 河原 正明(独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター)
  • 根来 俊一(兵庫県立がんセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
24,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 再発小細胞肺がん(初回治療が奏効して、治療終了から90日以上経過して再発を認めたsensitive relapse症例)を対象にして、現在の標準的治療法と見なされるトポテカン単剤療法(Topotecan、国内ではNogitecan:以下ノギテカン療法(NGT療法))に対するシスプラチン+エトポシド+イリノテカン療法(PEI療法)の優越性を検証することを目的とする。
研究方法
38施設参加による第3相無作為化試験で、エンドポイントは生存期間であり、MSTを8ヶ月から12ヶ月に向上させることを見込んでいる。対象症例は、再発小細胞肺がんで、初回治療としてプラチナ製剤を含む併用化学療法を受けており、75才以下、PS: 0-2、主要臓器機能が保持されており、患者本人の自由意思による文書同意を必須とする。
 JCOGで中央登録、無作為化割り付けを行う。治療内容はNGT療法、あるいはPEI療法を行う。NGT療法はノギテカン1.0mg/㎡(5日間)、3週間隔、4コースとする。PEI療法は、第1週目、シスプラチン25mg/㎡(第1日目)、エトポシド60mg/㎡(第1-3日)、第2週目、シスプラチン25mg/㎡(第1日目)、イリノテカン90mg/㎡(第1日目)の2週間を1コースとして5コースまで施行して、1コース目の第8日目よりG-SCFを、抗癌剤投与日以外は連日投与する。
 最終解析は症例集積1年後、中間解析は1回、安全性モニタリングは年2回を予定。予定症例数は180例で集積期間は4年を見込んでいる。なお、倫理面の配慮はプロトコールに十分に記載している。

結果と考察
結果:平成19年8月にプロトコールの承認が得られた。20年3月現在31施設IRB承認,を得て、7例の症例登録が行なわれた。
考察:再発小細胞肺がんに関する治療研究は多かったが見るべき進歩はなかった。しかし、最近、再発治療でのNGT療法の有用性を示す第3相比較試験が3つ報告された。そこで、我々は新しく開発したPEI療法との第3相比較試験を開始した。
結論
再発小細胞肺がんの予後改善を目的とした本研究は、昨年8月より症例登録を開始した。

公開日・更新日

公開日
2008-05-27
更新日
-