乳癌診療におけるグローバルスタンダードの導入と質的評価検討に関する研究

文献情報

文献番号
200721020A
報告書区分
総括
研究課題名
乳癌診療におけるグローバルスタンダードの導入と質的評価検討に関する研究
課題番号
H18-がん臨床-一般-008
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
中村 清吾(NPO法人日本乳がん情報ネットワーク)
研究分担者(所属機関)
  • 黒井克昌(都立駒込病院 臨床試験科・外科)
  • 大野真司(国立病院機構九州がんセンター)
  • 岩田広治(愛知県癌センター 乳腺科部)
  • 秋山太(癌研究会癌研究所 病理部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
14,701,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
世界の標準治療が日本中どこにいても受けられる様、双方のガイドライン相違を明確にし、解決策を論ずるための支援を行う。
研究方法
米国NCCNと連携し、乳癌診療を中心に、NCCNガイドラインの翻訳及びWEBでの閲覧システムを構築し、世界の標準治療の内容を遅滞なく入手可能とした。また、研究会を通じて日米ガイドラインの比較検討を行い、我が国のガイドライン策定における問題点と解決策を検討してきた。
結果と考察
薬物療法に関し国際研究会を開催し
た。特に、ハーセプチンなどの分子標的治療薬や新規化学療法剤の開発
費は膨大であり、高額な薬剤費は医療費の高騰に拍車をかける要因とな
りつつある。有力な抗癌剤が次々と登場する中で、癌の特性や、患者
個々の価値観に照らし合わせ、個別化治療をどのように展開するかとい
うことも、NCCNガイドライン策定委員と討論した。また、ガイド
ラインの遵守率やアウトカム測定Quality Indicator による質の評価(病院間の比較検討)なども今後の課題と考え、米国における現況を紹介した。
なお、NCCN/JCCNBでの研究会に先立ち、基礎研究の分野では、DCIS発症のメカニズムが、形態学から分子生物学的アプローチで解明されつつあり、より確実な良悪性鑑別や予後予測(分担:秋山太)、それに基づく最適な治療法の選択(分担:岩田広治)、発症予防へと臨床応用につき国内外の研究者と共に、実際の臨床例を交えて「DCISの発症メカニズム解明とその臨床応用」について討議を行った

結論
標準治療を実践する上で根幹をなす乳癌診療ガイドラインの策定方法、内容、世界の標準治療(診療ガイドライン)を今後とも遅滞なく配信するシステムをWEB上で構築する。
人種差や保険制度の違い等による相違点を明確にしつつ、根幹を共有することで、共通の尺度で医療の質を評価し向上させることに寄与した。

公開日・更新日

公開日
2008-05-13
更新日
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