症例登録を踏まえた病院共通のコンピュータシステムの開発とコストに関する研究

文献情報

文献番号
200721013A
報告書区分
総括
研究課題名
症例登録を踏まえた病院共通のコンピュータシステムの開発とコストに関する研究
課題番号
H18-がん臨床-一般-001
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
澤 智博(帝京大学国際教育研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 中田善規(帝京大学医学部麻酔科学講座)
  • 山口拓洋(東京大学医学部附属病院 臨床試験データ管理学)
  • 山口直人(東京女子医科大学医学部衛生学公衆衛生学第2講座)
  • 上 昌広(東京大学医科学研究所 探索医療ヒューマンネットワークシステム部門)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
16,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん症例登録の精度向上及び普及促進を図り、各種症例登録事業を円滑に行うため、病院情報システムに蓄積されるデータから症例登録に必要なデータを効率的・効果的に抽出する汎用的な症例登録システムを開発する。
研究方法
第一年目のシステムの開発要件を定義、設計、プロトタイピング、実装により開発した汎用症例登録システム、ptregの機能、信頼性、性能を検証した。
ptregは、フォームの交換により様々な症例登録事業に対応し、一つのデータベースで一元的に複数の症例登録事業データを管理することが可能である。この機能の検証のため、院内がん登録、各種臓器癌登録の複数のがん登録事業データを1システムで管理した。
結果と考察
がん診療連携拠点病院院内がん登録標準登録様式(2006年度版 修正版)の登録項目とその定義に記載されている内容について本症例登録システムのフォーム作成機能を使用してフォームデザイン、各項目内容、データ型を設定した。標準登録様式の全項目を設定することが可能であることを示すことができた一方で、診断名コード検索など専用ソフトウエアには及ばない点も存在した。汎用症例登録ソフトウエアの利点としては、経時的に発生する登録項目の変更や地域がん登録などの他の登録様式への項目のマッピングが可能であり、これら全てのデータを一元的に管理できる点である。
14の臓器がん登録事業で使用されている登録項目や定義については、全ての項目をptregのフォームに実装することができた。事業によっては、紙での登録を前提としているためコンピュータ上では異なるデータ型の複数の項目を一つの項目として設定しているものが存在した。
汎用性の検証としては、院内がん登録を含め15登録事業の項目を一つのシステムで一元的に管理できることが示された。
結論
がん症例登録の精度向上及び普及促進を図り、各種症例登録事業を円滑に行うため、病院情報システムに蓄積されるデータから症例登録に必要なデータを効率的・効果的に抽出する汎用的な症例登録システムを開発するため、システムに関する要件定義、基本設計、詳細設計、プロトタイピングを実施し、運用試験、負荷試験を通じてシステムの性能・信頼性を検証した。また、運用試験を通じて必要と考えられた要件について、拡張機能として設計、プロトタイピング、実装を行った。

公開日・更新日

公開日
2009-12-07
更新日
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