早期前立腺がんにおける根治術後の再発に対する標準的治療法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200721003A
報告書区分
総括
研究課題名
早期前立腺がんにおける根治術後の再発に対する標準的治療法の確立に関する研究
課題番号
H17-がん臨床-一般-003
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
内藤 誠二(九州大学 大学院医学研究院泌尿器科学分野)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
27,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

文献情報

文献番号
200721003B
報告書区分
総合
研究課題名
早期前立腺がんにおける根治術後の再発に対する標準的治療法の確立に関する研究
課題番号
H17-がん臨床-一般-003
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
内藤 誠二(九州大学 大学院医学研究院泌尿器科学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 横溝 晃(九州大学病院泌尿器科)
  • 筧 善行(香川大学医学部泌尿器科学)
  • 小川 修(京都大学大学院医学研究科泌尿器科学)
  • 馬場 志郎(北里大学医学部泌尿器科)
  • 大家 基嗣(慶應義塾大学医学部泌尿器科学)
  • 羽渕 友則(秋田大学医学部泌尿器科学)
  • 野々村 克也(北海道大学大学院医学研究科腎泌尿器外科学)
  • 庭川 要(静岡県立静岡がんセンター泌尿器科)
  • 松岡 啓(久留米大学医学部泌尿器科学)
  • 井川 幹夫(島根大学医学部泌尿器科学)
  • 平尾 佳彦(奈良県立医科大学医学部泌尿器科学)
  • 後藤 百万(名古屋大学大学院医学系研究科泌尿器科)
  • 西澤 理(信州大学医学部泌尿器科学)
  • 住吉 義光(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター)
  • 塚本 泰司(札幌医科大学医学部泌尿器科)
  • 高橋 公太(新潟大学教育研究院歯学系泌尿器科)
  • 杉村 芳樹(三重大学大学院医学系研究科腎泌尿器外科学)
  • 藤澤 正人(神戸大学大学院医学系研究科腎泌尿器科学)
  • 頴川 晋(東京慈恵会医科大学泌尿器科)
  • 大園 誠一郎(浜松医科大学医学部泌尿器科学)
  • 赤座 英之(筑波大学大学院人間総合科学研究科機能制御医学専攻)
  • 市川 智彦(千葉大学大学院医学研究院泌尿器科学)
  • 武田 正之(山梨大学大学院医学工学総合研究部泌尿器科学)
  • 寺井 章人(倉敷中央病院泌尿器科)
  • 中川 昌之(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科泌尿器科学)
  • 藤元 博行(国立がんセンター中央病院泌尿器科)
  • 荒井 陽一(東北大学大学院医学系研究科泌尿・生殖器科学)
  • 小松原 秀一(新潟県立がんセンター新潟病院)
  • 宇佐美 道之(大阪府立成人病センター泌尿器科)
  • 堀江 重郎(帝京大学医学部泌尿器科学)
  • 山口 秋人(原三信病院)
  • 冨田 善彦(山形大学医学部腎泌尿器外科学分野)
  • 上田 昭一(熊本大学大学院医学薬学研究部泌尿器病態学)
  • 川島 清隆(栃木県立がんセンター泌尿器科)
  • 栃木 達夫(宮城県立がんセンター医療局泌尿器科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
根治的前立腺摘除術後の再発は、まずPSAの再上昇(PSA再発)で発見されるが、その再発が局所か、遠隔転移か、さらには両者の合併かを画像的に同定することは困難であるため、標準的治療法は未だ確立されていない。我々は、限局性前立腺癌に対する根治的前立腺摘除術後のPSA再発患者に対して、内分泌療法前に放射線療法を行うことの臨床的有用性を、ランダム化比較試験により評価する臨床試験を計画した。Primary endpointは抗アンドロゲン剤のTime-to-Treatment Failure(TTF)とし、secondary endpointはプロトコール治療のTTF、全生存期間、臨床的無再発生存期間、放射線、抗アンドロゲン剤、LH-RHアナログの有害事象、QOLとした。
研究方法
登録時に適格患者は以下のA群(内分泌療法群)かB群(放射線療法群)にランダム割付される。治療開始後、臨床再発またはPSA再発を認めた場合、または有害事象や患者拒否により治療継続が困難となった場合を Treatment failure (TF)と判断した。A群では抗アンドロゲン剤治療とその後の TF に対するLH-RHアナログ治療をもってプロトコール治療とし、B群では前立腺床に対する64.8Gyの外照射、その後 TF を生じたらA群と同様の治療をもってプロトコール治療とする。登録期間は4年、追跡期間は登録終了後5年とし、総研究期間は9年とした。
結果と考察
1)当研究はJapan Clinical Oncology Group(JCOG)にデータマネージメント及び、効果・安全性評価を依頼し、遂行している。H20年3月末現在、98名の登録が得られているが、重篤な有害事象はなく、放射線治療の品質管理も良好である。登録症例数が予定を下回っていたが、全施設での登録候補患者の調査、参加施設の入れ替え、患者への説明医の固定、コアメンバーによる縮小班会議の定期的開催、説明パンフレットの作成、配布、カルテ用シール等の配布などの対策を行った結果、今年度は44例の登録があり、登録数は急増した。さらなる登録推進のため参加施設の入れ替えや若手分担研究者の積極的な採用などの努力を積極的に行って、試験の円滑な進行を図りたい。また、本研究の登録促進と根治的前立腺摘除術後のPSA再発の臨床背景を明らかにするため、各施設におけるPSA再発患者の後ろ向き臨床調査を行い、430名の詳細なPSA推移に関するデータを集積した。
結論
H20年3月末までに98名の患者登録を行い、プロトコール治療を実施中であるが、両群ともに治療に関連した重篤な有害事象は認めていない。

公開日・更新日

公開日
2008-04-08
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200721003C

成果

専門的・学術的観点からの成果
根治的前立腺摘除術後の再発は、明確な根拠もないままに治療法が選択され、現在までのところPSA再発患者に対する標準的治療法は確立されていない。そのため、本研究では、根治術後のPSA再発 (0.4ng/ml 以上)患者を対象に、内分泌療法群と放射線療法群(内分泌療法に先行して放射線療法を行う)によるランダム化比較試験を行っている。PSA 再発の治療において放射線療法を内分泌療法に先行させる臨床的意義を検討することによってPSA再発に対する治療指針が確立できるものと期待される。
臨床的観点からの成果
登録症例数が予定を下回っていたことが問題であったが、登録候補患者の調査、参加施設の入替え、コアメンバーによる縮小班会議の定期的開催、説明パンフレットの作成、配布、カルテ用シール等の配布などの対策を行った結果、この1年間に44例の登録があり、登録数は急増した。詳細な登録候補患者数調査では、25施設において、PSA上昇直線から1年以内に登録可能な患者が90名存在することが明らかとなった。これらの患者を確実に登録することでこの研究をさらに推進して行きたい。
ガイドライン等の開発
前立腺がん検診ガイドライン 2008年度版
その他行政的観点からの成果
本研究のPrimary endpoint は抗アンドロゲン剤の time to treatment failure(TTF)、secondary endpointは、LH-RHアナログのTTFになるまでの期間、全生存率、有害事象、QOLである。PSA 再発の治療において放射線療法を内分泌療法に先行させる臨床的意義を検討することによってPSA再発に対する治療指針が確立できるものと期待される。
その他のインパクト
「前立腺がん」に関する新聞記事;西日本新聞 2006年4月2日, 2006、朝日新聞2007年8月18日、泌尿器悪性腫瘍-治療における最近の話題-. ラジオNIKKEI医学特別番組 明日の治療指針, 2006、「座談会:福岡市の事例から探る 前立腺癌の病診連携のあり方.」メディカル朝日 36 (9): 93-95, 2007、「asahi.com連動・医療シリーズ 50歳を過ぎたら年1回はPSA検査を」

発表件数

原著論文(和文)
1件
原著論文(英文等)
36件
その他論文(和文)
1件
総説
その他論文(英文等)
1件
総説
学会発表(国内学会)
10件
日本泌尿器科学会、日本癌治療学会など
学会発表(国際学会等)
4件
米国泌尿器学会など
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
1件
市民公開講座

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Yokomizo A, Tobisu K, Kawamoto H, Nihei K, et al
Randomized Controlled Trial to Evaluate Radiation plus Endocrine Therapy or Endocrine Therapy alone for PSA failure after radical prostatectomy: Japan Clinical Oncology Group Study JCOG 0401.
Jpn J Clin Oncol , 35 , 34-36  (2005)
原著論文2
Naito S
Evaluation and management of prostate-specific antigen recurrence after radical prostatectomy for localized prostate cancer.
Jpn J Clin Oncol , 35 , 365-374  (2005)
原著論文3
Yokomizo A, Murai M, Baba S, et al
Percentage of positive biopsy cores, preoperative prostate-specific antigen (PSA) level, pT and Gleason score as predictors of PSA recurrence after radical prostatectomy: a multi-institutional outcome study in Japan.
BJU Int , 98 , 549-553  (2006)

公開日・更新日

公開日
2015-09-24
更新日
-