肺腺癌の診断および悪性度予測のためのAcetate-PETの臨床的研究

文献情報

文献番号
200720007A
報告書区分
総括
研究課題名
肺腺癌の診断および悪性度予測のためのAcetate-PETの臨床的研究
課題番号
H18-3次がん-一般-004
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
野守 裕明(熊本大学大学院医学薬学研究部呼吸器外科)
研究分担者(所属機関)
  • 高浪 巌(帝京大学医学部 呼吸器外科)
  • 呉屋 朝幸(杏林大学医学部 呼吸器外科)
  • 小泉 潔(日本医科大学 呼吸器外科)
  • 鈴木 隆(昭和大学医学部付属藤が丘病院 胸部外科)
  • 冨吉 勝美(熊本大学大学院医学薬学研究部保険学科医用工学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
20,331,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
肺癌に対するFDG-PETの弱点の一つは「高分化腺癌の約60%が陰性となる」ことである。本研究の目的は肺腺癌の診断および悪性腫瘍度の判定におけるAcetate-PETの有用性をFDG-PETと比較検討することである。
研究方法
肺腺癌と診断された症例のにFDG-PETとAcetate-PETを施行した。組織学的悪性度の指標として病理病期、腫瘍内脈管浸潤、胸膜浸潤を用い、腫瘍増殖度のマーカーとしてKi-67による免疫染色を行った。研究期間中に腺癌197病変、良性肺結節57病変に対して術前にAcetate-PETとFDG-PETを行った。
結果と考察
1. 腺癌と良性結節の鑑別のためのAcetateおよびFDGの集積度(SUV-contrast ratio)のカットオフ値はAcetate-PETでは0.14、FDG-PETでは0.2であった。
2. 腺癌診断におけるAcetate-PETとFDG-PETの感受性はそれぞれ0.70と0.51であり、Acetate-PETはFDG-PETより有意に感受性が高かった(p<0.001)。
3. 病理病期IA期とIB期以上の間、リンパ管浸潤の有無、血管浸潤の有無、胸膜浸潤の有無において、FDG集積度は進行性あるいは浸潤性の強い腺癌の方が有意に高かったが(p<0.001)、Acetate集積度はそれぞれの間に差はなかった。以上より、腺癌の組織学的悪性度の予測においてFDG-PETは有用であるが、Acetate-PETの有用性は無いことが判明した。
4. Ki-67indexではAcetate陽性陰性の間に差はなかったが(p=0.9)、FDG陽性は陰性より有意にKi-67 indexが高値であった(p=0.0005)。
5. FDG-PETはN0の163例中155例(95%)、N1の9例中1例(11%)、N2の15例中6例((40%)を正確に診断できた。Acetate-PETはN0の163例中155例(95%)、N1の9例中2例(22%)、N2の15例中5例(33%)を診断できた。両PET間にリンパ節転移診断の有意差はなかった。
結論
①腺癌診断においてAcetate-PETはFDG-PETより感受性が高い。
②組織学的悪性度および腫瘍増殖度の予測にFDG-PETは有用であるが、Acetate-PETは有用ではない。
③リンパ節転移診断においてはAcetate-PETとFDG-PETは同等であった。

公開日・更新日

公開日
2008-03-31
更新日
-

文献情報

文献番号
200720007B
報告書区分
総合
研究課題名
肺腺癌の診断および悪性度予測のためのAcetate-PETの臨床的研究
課題番号
H18-3次がん-一般-004
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
野守 裕明(熊本大学大学院医学薬学研究部呼吸器外科)
研究分担者(所属機関)
  • 呉屋 朝幸(杏林大学医学部呼吸器外科)
  • 高浪 巌(帝京大学医学部呼吸器外科)
  • 小泉 潔(日本医科大学呼吸器外科)
  • 鈴木 隆(昭和大学医学部付属藤が丘病院胸部外科)
  • 冨吉 勝美(熊本大学大学院医学薬学研究部保険学科医用工学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
肺癌に対するFDG-PETの弱点の一つは「高分化腺癌の約60%が陰性となる」ことである。本研究の目的は肺腺癌の診断および悪性腫瘍度の判定におけるAcetate-PETの有用性をFDG-PETと比較検討することである。
研究方法
肺腺癌の術前にFDG-PETとAcetate-PETを施行した。組織学的悪性度の指標として病理病期、腫瘍内脈管浸潤、胸膜浸潤を用い、腫瘍増殖度のマーカーとしてKi-67(MIB-1)による免疫染色を行った。研究期間中に腺癌197病変、良性肺結節57病変に対して術前にAcetate-PETとFDG-PETを行った。
結果と考察
1. 腺癌と良性結節の鑑別のためのAcetateおよびFDGの集積度(SUV-contrast ratio)のカットオフ値はAcetate-PETでは0.14、FDG-PETでは0.2であった。
2. 腺癌診断におけるAcetate-PETとFDG-PETの感受性はそれぞれ0.70と0.51であり、Acetate-PETはFDG-PETより有意に感受性が高かった(p<0.001)。
3. 病理病期IA期とIB期以上の間、リンパ管浸潤の有無、血管浸潤の有無、胸膜浸潤の有無において、FDG集積度は進行性あるいは浸潤性の強い腺癌の方が有意に高かったが(p<0.001)、Acetate集積度はそれぞれの間に差はなかった。
4. Ki-67indexではAcetate陽性陰性の間に差はなかったが(p=0.9)、FDG陽性は陰性より有意にKi-67 indexが高値であった(p=0.0005)。
5. FDG-PETはN0の163例中155例(95%)、N1の9例中1例(11%)、N2の15例中6例((40%)を正確に診断できた。Acetate-PETはN0の163例中155例(95%)、N1の9例中2例(22%)、N2の15例中5例(33%)を診断できた。両PET間にリンパ節転移診断の有意差はなかった。
結論
①腺癌診断においてAcetate-PETはFDG-PETより感受性が高い。
②組織学的悪性度および腫瘍増殖度の予測にFDG-PETは有用であるが、Acetate-PETは有用ではない。
③リンパ節転移診断においてはAcetate-PETとFDG-PETは同等であった。

公開日・更新日

公開日
2008-03-31
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200720007C

成果

専門的・学術的観点からの成果
肺癌に対するPET診断としてfluorodeoxyglucose (FDG)が使用されているが、FDG-PETの弱点の一つは「高分化腺癌の約60%が陰性となる」ことである。本研究によりAcetate-PETはFDG-PETより有意に高率に腺癌を陽性としてPET画像に映し出すことができることが判明した。またリンパ節転移診断においてはFDG-PETとAcetate-PETは同等であった。しかし腺癌の悪性度の予測においてはAcetate-PETはFDG-PETに劣ることが判明した。
臨床的観点からの成果
肺癌に対するFDG-PETの弱点の一つは「高分化腺癌の約60%が陰性となる」ことである。本研究によりAcetate-PETはFDG-PETより有意に高率に腺癌を陽性としてPET画像に映し出すことができることが判明した。またリンパ節転移診断においてはFDG-PETとAcetate-PETは同等であった。近年、肺癌の70%近くを占める腺癌のPET診断においてFDGよりAcetateの方が有用であることが判明した研究であり、今後の臨床応用が広まることが予想される。
ガイドライン等の開発
該当無し
その他行政的観点からの成果
該当無し
その他のインパクト
該当無し

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
2件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
2件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Nomori H, Ikeda K, Mori T, et al.
Sentinel node navigation segmentectomy for clinical stage IA non-small cell lung cancer
Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery , 133 , 780-785  (2007)
原著論文2
Mori T, Nomori H, Ikeda K, et al.
The distribution of parenchyma, follicles, and lymphocyte subsets in thymus of patients with myasthenia gravis, with special reference to remission after thymectomy.
Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery , 133 , 364-368  (2007)

公開日・更新日

公開日
2015-06-02
更新日
-