乳幼児健診をきっかけとした発達障害の早期発見支援活動とその評価に関する研究

文献情報

文献番号
200719014A
報告書区分
総括
研究課題名
乳幼児健診をきっかけとした発達障害の早期発見支援活動とその評価に関する研究
課題番号
H18-子ども-一般-002
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 則子(国立保健医療科学院生涯保健部)
研究分担者(所属機関)
  • 柳川 敏彦(和歌山県立医科大学保健看護学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
発達障害早期発見支援のための「前向き子育てプログラム」は日本に紹介されて間もないため、わが国での応用が可能かどうか十分な評価が定まっていない。このため東京郊外の川崎市麻生区、中原区、および川崎区の子育て中の親にこの育児プログラムを試行してその効果を評価しようとした。また、今年度の研究を広げて、地域レベルの介入研究を目指すためにファシリテーターを増員する。
研究方法
東京郊外に位置し東京のベッドタウンとなっている川崎市に在住する子育て中の親を対象とした。川崎市3区において、3歳児健康診査の会場や児童館、公民館等で「子育て講座」の案内のチラシを配布し、受講希望のあった10名程度を1グループとして介入の対象とした。トリプルPレベル4認定ファシリテーターにより、ファシリテーターマニュアルに従って、日本語版親用ワークブックを用いて、レベル4グループトリプルPの育児講座を計5クール行った。
結果と考察
子育て場面で親がどのように振る舞うかの設問(Parenting Scale, PS)「手ぬるさ」「多弁さ」及び総合スコアが、介入後に低下しており、差は有意だった。
子どもの行動の難しさ子どもの行動の難しさについての設問(Strength and Difficulties Questionnaire, SDQ)について、有意ではないが、難しい行動のスコアが低下し、好ましい行動(社交的行動)のスコアが上昇していた。「行為問題」のスコアの平均自体は明瞭に低下していたが、個々の例を見ると著しく改善しているも場合と、かなり悪化している場合があり、全体として有意な改善として捉えられなかった
親の抑うつ・不安・ストレスに関する設問(Depression Anxiety Stress Scale, DASS) について、抑うつ、不安及びストレスのスコアの低下が有意ではないが明瞭であった。1,2名程度の少人数でのみ著しい改善が見られているにとどまっているため、全体的な有意な改善として捉えられなかった。
親としてどう感じるかの設問(Parental Experiment Survey, PES)について、介「子育ての困難度」が有意に減少し、「子育てをして受けた感じ」として「確かな結果が出る」が有意に増加し、「落ち込ませる」が有意に増加していた。また、「子育ての自信度」が有意に増加していた。
結論
わが国における子どものメンタルヘルスに関わる事業を体系的に把握し、問題点を洗い直すことで、わが国の母子保健事業の効率化に新しい視野を得ることができる。介入調査の結果をもとに、発達障害早期発見支援のためのシステムを構築できると考える。

公開日・更新日

公開日
2008-04-21
更新日
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