健やか親子21を推進するための多機関協働による課題解決型アプローチと評価に関する研究

文献情報

文献番号
200719009A
報告書区分
総括
研究課題名
健やか親子21を推進するための多機関協働による課題解決型アプローチと評価に関する研究
課題番号
H17-子ども-一般-012
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
黒川 清(特定非営利活動法人日本医療政策機構)
研究分担者(所属機関)
  • 天野 恵子(千葉県衛生研究所)
  • 近藤 正晃ジェームス(特定非営利活動法人日本医療政策機構 )
  • 山越 悦子(特定非営利活動法人日本医療政策機構 )
  • 川口 眞理子(日本助産師会千葉県支部)
  • 川島 広江(川島助産院)
  • 長尾 紅子(ユーリカ・ジャポン有限会社)
  • 渡辺 浩子(特定非営利活動法人日本医療政策機構 )
  • 柳堀 朗子(千葉県衛生研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
12,840,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、「健やか親子21」における「思春期の保健対策の強化と健康教育の推進」のために、10代の中絶率と性感染症が増加している問題に焦点をあて、中央政府・地方自治体・教育機関・医療機関・地域・家庭など関係多機関が課題解決に向けて協働すべき対策プログラムをファクトに基づいて導くことを目的としている。
研究方法
これまでの調査においては、10代の性行動および環境要因について、個々の変数の解析や限定的な取り組みについての実証調査が行われてきた。
本研究では、10代の人工妊娠中絶の地域間差に着目し、その背景にある性行動および環境要因の地域間差に関する体系的な調査を行った。
平成19年度には、平成17・18年度研究の結果をもとに都市都会・地方郊外・中間地域の3類型ごとのマニュアルを作成し、3つの自治体においてそれぞれを検証した。具体的には、都市都会のモデル地区として千葉県千葉市、地方郊外のモデルとして北海道釧路市、中間地域のモデルとして千葉県八千代市にて、多機関協働で実際に施策立案を行った。
結果と考察
釧路市では、推奨した多機関連携事業について、NPOが予算を確保し、市も巻き込んで対策が開始されるなど、成果が確認された。
これらのモデル地区で得られた知見をもとに、全国の自治体にて活用可能な思春期事業の立案・実施に関するマニュアルを作成し、全国の母子保健担当者をはじめとする関係者に提示した。
こうして、住民台帳を活用した性に関する調査が困難となる中で、大規模なWeb調査を体系的に行い、有意義な回答と解析結果が得られることが確認され、データに基づき、多機関の主体が地域で議論し、協働して施策を立案・実施・モニターできることが本研究では示された。
結論
今後は、健やか親子21公式ウェブページにおける取り組みのデータベース等と連携することで、エビデンスに基づいた施策立案・実施、並びに評価の状況が各自治体で情報共有しながら行えるような基盤の整備を行うとともに、重点地域として地方郊外において青少年の課外活動の推進を展開し、都市都会においては性感染症対策を充実するなど、地域での市民中心の地域力・家庭力の向上に向けた取り組みをさらに推進することが求められる。

公開日・更新日

公開日
2008-10-08
更新日
-

文献情報

文献番号
200719009B
報告書区分
総合
研究課題名
健やか親子21を推進するための多機関協働による課題解決型アプローチと評価に関する研究
課題番号
H17-子ども-一般-012
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
黒川 清(特定非営利活動法人日本医療政策機構)
研究分担者(所属機関)
  • 天野 恵子(千葉県衛生研究所)
  • 近藤 正晃ジェームス(特定非営利活動法人日本医療政策機構 )
  • 山越 悦子(特定非営利活動法人日本医療政策機構 )
  • 川口 眞理子(日本助産師会千葉県支部)
  • 川島 広江(川島助産院)
  • 長尾 紅子(ユーリカ・ジャポン有限会社)
  • 渡辺 浩子(特定非営利活動法人日本医療政策機構 )
  • 柳堀 朗子(千葉県衛生研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 子ども家庭総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、「健やか親子21」における「思春期の保健対策の強化と健康教育の推進」のために、10代の中絶率と性感染症が増加している問題に焦点をあて、中央政府・地方自治体・教育機関・医療機関・地域・家庭など関係多機関が課題解決に向けて協働すべき対策プログラムをファクトに基づいて導くことを目的としている。
研究方法
本研究では、10代の人工妊娠中絶の地域間差に着目し、その背景にある性行動および環境要因の地域間差に関する体系的な調査を行った。
平成17年度には、中絶率が低水準の千葉県と高水準の北海道の二つの地域で、留め置き調査とWeb調査との間で結果に有意差が無いことを確認をし、平成18年度に全国的なWeb調査を行い、都市都会・地方郊外・中間地域の3つの地域類型で性行動および環境要因の体系的な調査を行った。平成19年度には、都市都会・地方郊外・中間地域の3類型ごとのマニュアルを作成し、3つの自治体においてそれぞれを検証した。
結果と考察
平成18年度の全国調査の結果、妊娠に直結する非避妊換算総性交渉回数について大きな地域格差があり、地域郊外が最も多く、次に都市都会が多いことが示された。非避妊換算総性交渉回数の多さに寄与する性行動としては、地方郊外では性交渉頻度の多さが、都市都会では性交渉人数の多さが重要であることが確認された。
さらに、それらの性行動変数に寄与する環境要因も地域によって異なることが確認された。環境要因としては、家族の性への意識、デートの場所、性交渉場所、性感染症教育などが重要であり、環境要因に影響を与えられる実施主体も異なることが確認された。
平成19年度には、例えば釧路市では、推奨した多機関連携事業について、NPOが予算を確保し、市も巻き込んで対策が開始されるなど、成果が確認された。
結論
住民台帳を活用した性に関する調査が困難となる中で、大規模なWeb調査を体系的に行い、有意義な回答と解析結果が得られることが確認され、データに基づき、多機関の主体が地域で議論し、協働して施策を立案・実施・モニターできることが本研究では示された。
今後は、健やか親子21公式ウェブページにおける取り組みのデータベース等と連携することで、エビデンスに基づいた施策立案・実施、並びに評価の状況が各自治体で情報共有しながら行えるような基盤の整備を行うとともに、重点地域として地方郊外において青少年の課外活動の推進を展開し、都市都会においては性感染症対策を充実するなど、地域での市民中心の地域力・家庭力の向上に向けた取り組みをさらに推進することが求められる。

公開日・更新日

公開日
2008-10-08
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200719009C

成果

専門的・学術的観点からの成果
住民台帳を活用した調査が困難となる中で、性に関する調査において大規模なWeb調査を行うことが可能であることが示された。
性行動に関する体系的な調査が実施可能であり、有意義な回答と解析結果が得られることが確認された。
地域特性により政策課題となる要因が大きく異なることが実証的に示され、また要因に影響を与えられる実施主体が多機関に渡ることが確認された。
多機関の専門家が、地域毎のデータに基づき、連携して施策を立案できる討議方法についての実務的な知見が蓄積された。
臨床的観点からの成果
本研究は、家庭・地域を重視したものであり、
医学臨床における成果は必ずしも期待されるものではない。
しいて挙げるならば、望まない妊娠・中絶の繰り返し事例(リピーター)への対策の必要性を確認したこと、
医療機関の他機関との連携・協働の促進の一助となったことなどが挙げられる。
ガイドライン等の開発
都市都会・地方郊外・中間地域の3類型に基づく各自治体にて活用可能な思春期事業の立案・実施に関するマニュアル・施策案を作成し、全国の母子保健担当者をはじめとする関係者に提示。
都市都会のモデルとして千葉市にて、地方郊外のモデルとして釧路市にて、中間地域のモデルとして八千代市にて、それぞれ思春期事業の実施にあたっての情報提供と施策案の提示を行うことで、それまで以上の事業の充実に寄与すると共に、その知見を全国展開のためのマニュアルに反映した。
その他行政的観点からの成果
地域での独自の取り組みを多機関にて協働して実施するためのフレームワークを提示することで、思春期事業に限らず母子保健分野全体におけるデータ収集・施策立案・施策のモニターという一連の理想的な姿を提示した。
性というセンシティブな領域において、データに基づき、多機関の主体が地域で議論し、協働して施策を立案・実施・モニターできることを示したことで、より前向きな取り組みを実施できる環境整備に寄与した。
その他のインパクト
釧路市・千葉市でのシンポジウム開催、
ホームページ掲載:http://healthpolicy-institute.org/

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-11
更新日
-