サルを用いたアルツハイマー病及び血管性認知症に対するワクチン療法の有効性、安全性の評価

文献情報

文献番号
200718073A
報告書区分
総括
研究課題名
サルを用いたアルツハイマー病及び血管性認知症に対するワクチン療法の有効性、安全性の評価
課題番号
H19-長寿-一般-022
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
田平 武(国立長寿医療センター研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 脇田英明(国立長寿医療センター研究所)
  • 原 英夫(国立長寿医療センター研究所)
  • 籏野健太郎(国立長寿医療センター研究所)
  • 中村紳一朗(滋賀医科大学動物生命科学研究センター)
  • 井上 誠(ディナベック株式会社)
  • 冨本秀和(京都大学大学院医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1)アルツハイマー病のワクチン開発
サルを用いてAbetaワクチンの効果判定にPIB/PETが有用かどうかを調べ、併せて安全性の更なる検討を加えることを目的とする。

2)血管性認知症のワクチン開発
サルを用いた脳虚血、微小脳梗塞のモデルを作製し、接着分子E-selectinを標的とするワクチン療法を開発することを目的とする。
研究方法
1)20歳以上のカニクイザル10頭について全身麻酔下にPIB/PETを施行した。そのうち4頭について、SeV/Abeta-IL-10ワクチンを経口投与した。

2)X線透視下セルジンガー法により50 ミクロンのマイクロビーズを注入した。1ヶ月をあけて反対側(右側)の大腿動脈から両側の内頚動脈にもう一度同量のマイクロビーズの注入を行った。脳の状態をMRIで観察し、記憶機能の評価を行った。E-selectinの部分cDNA配列をPCR法にて増幅した。   
(倫理面への配慮)
本研究で用いる遺伝子操作や疾患モデル動物については、所属研究機関の各専門委員会の承認を受けて行った。組換えDNA実験は各施設の組換えDNA実験安全委員会の承認を得て行い、必要に応じて遺伝子情報を提供した。
結果と考察
1)老齢カニクイザルでは若齢ザルに比しPIBの脳内集積が高いことが分かった。
2)血管性認知症のモデル動物の作成に成功した。記憶機能の評価では、660個のマイクロビーズを注入動物で低下を認めた。E-selectin遺伝子の単離、増幅を行った。

1)この方法を用いることによりワクチンの効果判定が短期間にかつ客観的にできると期待される。 
2)血管性認知症のモデル動物おいてに記憶機能低下を発症するためには660個以上のマイクロビーズを投与することが必要と考えられた。
結論
1)老齢カニクイザルにPIB/PETを施行し、老齢サルでは若齢サルに比しPIBの脳内集積が高いことが分かった。
2)血管性認知症のサルモデル作成にに成功した。

公開日・更新日

公開日
2008-12-16
更新日
-