口腔内細菌叢の変化を指標にした後期高齢者の老人性肺炎の予知診断システムの開発

文献情報

文献番号
200718059A
報告書区分
総括
研究課題名
口腔内細菌叢の変化を指標にした後期高齢者の老人性肺炎の予知診断システムの開発
課題番号
H19-長寿-一般-008
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
高柴 正悟(岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 永田 俊彦(徳島大学 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部)
  • 佐藤 勉(日本歯科大学 生命歯学部)
  • 野村 義明(国立保健医療科学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
21,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
口腔細菌感染による重篤な全身疾患,とりわけ老人性肺炎の発症予知診断システムを細菌学・感染症学的な見地から構築すること
研究方法
高齢者における口腔内細菌叢の解析(細菌検査):若干名の高齢者の唾液を採取し,細菌叢を解析する。細菌の解析は,歯周病原生細菌・緑膿菌などの他に真菌も対象として行う。研究の対照として,若年層・中高年層における各部位における細菌叢についても同時に調べ,高齢者に特徴的に見られる細菌叢を解析する。無歯顎高齢者においても口腔細菌叢を解析する。
高齢者における歯周病原性細菌に対する血清(あるいは血漿)IgG抗体価の測定(感染度検査):高齢者の口腔内細菌叢と口腔細菌に対する血清抗体価の相関を統計学的に解析し,口腔細菌の感染度が血液検査によって測定可能かどうかを検討する。
高齢者における唾液中のLDH活性と遊離Hb値の測定(歯周組織の炎症度検査):高齢者の唾液中のLDHと遊離Hbを測定して,口腔内の炎症状況を測定する。高齢者における「細菌検査」,「感染度検査」,そして「歯周組織の炎症度検査」の臨床的有用性の評価(横断研究):上記のような口腔内感染度の検査結果を用いて,高齢者の口腔内感染度と全身疾患(肺炎,脳梗塞,心臓疾患および発熱回数)の発症との相関を統計学的に検討し,その臨床的な有用性を評価する。なお,高齢者の日常生活動作(ADL)や要介護度に関する情報も得て,それぞれの項目における全身疾患との関連も調べる。この横断研究によって,肺炎などの全身症状の悪化をきたす因子の候補を得る。
結果と考察
1.研究組織体制強化のため,呼吸器内科専門医の参加の了承を得た。
2.歯周病患者における口腔内感染度検査が超高齢者に対しても有用であることを確認した。
3.臨床データベースの構築した。
4.本研究の実施に際して,岡山大学大学院医歯薬学総合研究科をはじめ,関連機関,施設の倫理委員会の承認を得た。
5.本研究の実施に際して,複数の民間病院・老人施設等の協力を得ることになった。
結論
歯周病菌に対する血清抗体価検査が超高齢者においても応用可能であることを確認した。その他,次年度以降の研究が円滑に行えるように,研究全般にわたって体制を整備した。

公開日・更新日

公開日
2008-11-14
更新日
-