大都市圏脳卒中診療連携体制の構築-ニーズと資源のマッチング用データベースを用いたリハビリテーション医療連携システムの開発と効果の実証-

文献情報

文献番号
200718047A
報告書区分
総括
研究課題名
大都市圏脳卒中診療連携体制の構築-ニーズと資源のマッチング用データベースを用いたリハビリテーション医療連携システムの開発と効果の実証-
課題番号
H18-長寿-一般-039
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
里宇 明元(慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴木 則宏(慶應義塾大学医学部 神経内科学)
  • 塩川 芳昭(杏林大学医学部 脳神経外科)
  • 武林 亨(慶應義塾大学医学部 衛生学公衆衛生学教室、疫学・公衆衛生学)
  • 岡島 康友(杏林大学医学部 リハビリテーション医学)
  • 長谷 公隆(慶應義塾大学医学部 リハビリテーション医学教室)
  • 藤谷 順子(国立国際医療センター リハビリテーション科)
  • 小林 一成(東京慈恵会医科大学第三病院 リハビリテーション科)
  • 水間 正澄(昭和大学医学部 リハビリテーション医学診療科)
  • 田中 清和(JR東京総合病院 リハビリテーション科)
  • 水野 勝広(独立行政法人国立病院機構村山医療センター リハビリテーション科リテーション科)
  • 中島 英樹(東京都立豊島病院 リハビリテーション科)
  • 安藤 高朗(医療法人社団永世会永生病院 内科)
  • 飯田 達能(医療法人社団永世会永生病院 内科)
  • 尾花 正義(財団法人東京都保健医療公社 荏原病院 リハビリテーション科)
  • 鴨下 博((財)東京都保健医療公社 多摩北部医療センター リハビリテーション科)
  • 沼田 美幸(セコム医療システム株式会社 訪問看護ステーション看護部)
  • 森 英二(医療法人社団涓泉会 山王リハビリテーションクリニック)
  • 牛場 潤一(慶應義塾大学理工学部 生命情報学科)
  • 野村 憲弘(野村法律事務所)
  • 吉永 勝訓(千葉県千葉リハビリテーションセンター)
  • 高木 博史(埼玉県総合リハビリテーションセンター)
  • 松井 道彦(河北リハビリテーション病院)
  • 亀谷 智恵子(財団法人 世田谷区保健センター 相談訓練課)
  • 辻 哲也(慶應義塾大学医学部 リハビリテーション医学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
17,850,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
大都市圏における脳卒中診療は、大きな人口規模、広域的診療、急性期と回復期・維持期資源の不均衡を特徴とし、地域完結型診療体制をそのまま適用できない。本研究は実効性のある診療連携が未確立な大都市圏における急性期からの一貫したリハ診療連携体制の実現を目的とする。
研究方法
3年間で大都市圏における診療実態と連携阻害要因の分析及びITを活用した連携ネットワークの構築を行う。H19年度は、連携パスの動向及び参加施設における診療連携の実態を調査する。さらに、focused meetingにより、広域的連携支援ツールとしての連携マッチングシステム「リハナビ東京」の構築に必要な要件を整理し、その法的側面を検討する。開発したシステムを試験運用するとともに、導入効果検証のためのプロトコールを作成し、データ収集を開始する。
結果と考察
1.診療連携の動向:全国で作成中の連携パスを収集し、その成果を「脳卒中リハビリテーション連携パスー基本と実践のポイント」として発刊した。さらに、18施設における実態調査を通して診療連携の現状を把握した。
2.「リハナビ東京」の構築:計18回のfocused meetingにより診療連携上の課題を抽出し、連携マッチングシステム構築のための要件を整理した。これを踏まえ、ITを活用して個別ニーズに対応した診療連携を支援する「リハナビ東京」を開発し、54施設の参加を得て試験運用を開始した。システムは、医療資源情報、患者情報に加え、転院予定日、受け入れ条件、空床情報など、診療連携上、共有すべき情報から構成され、急性期・回復期施設のニーズに応じたマッチングを可能にする。さらに、個人情報保護の観点から、情報の取り扱い及び運用上の問題点を検討した。
 また、「リハナビ東京」の効果検証試験プロトコールを作成し、倫理委員会の承認後、データ収集を開始した。システム導入前後の各3か月間に患者を登録し、導入前後でアウトカム指標(在院日数、ADL改善度、在宅復帰率、スタッフ・利用者満足度)を比較する(最終解析はH20年度に行う予定)。
 「リハナビ東京」は、大都市圏において広域的な診療連携を支援するための有力なツールの一つとして活用が期待される。今後、参加施設を増やし、運用上の問題点を抽出しながらシステムを改良し、実用化していく必要がある。
結論
ITを活用したリハ診療連携体制構築のための基盤が整備された。今後、システムの実用化と効果の実証を行う。

公開日・更新日

公開日
2008-07-30
更新日
-