介護保険制度における栄養ケア・マネジメント事業評価に関する研究

文献情報

文献番号
200718027A
報告書区分
総括
研究課題名
介護保険制度における栄養ケア・マネジメント事業評価に関する研究
課題番号
H18-長寿-一般-017
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
杉山 みち子(神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科)
研究分担者(所属機関)
  • 加藤 昌彦(椙山女学園大学生活科学部)
  • 合田 敏尚(静岡県立大学食品栄養科学部)
  • 西村 秋生(国立保健医療科学院研修企画部国際協力室)
  • 高田 和子(独立行政法人国立健康・栄養研究所 健康増進研究部)
  • 太田 貞司(神奈川県立保健福祉大学社会福祉学科)
  • 臼井 正樹(神奈川県立保健福祉大学社会福祉学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
17,750,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、介護保険制度改正に伴い施行された栄養ケア・マネジメント(以下、NCM)の事業評価を行うことである。3年間の継続研究の2年目にあたる本年度は、Ⅰ.介護保険施設におけるNCM業務に関する2年目の継続的事業評価、Ⅱ.NCM業務時間調査から効率化のための業務改善課題の明確化、Ⅲ.介護保険施設における低栄養状態の改善・維持事例及び困難事例の特性の把握、さらに、IV. 通所サービス事業所のNCM事業評価のための予備調査(次年度に継続)、V.居宅サービス利用者の低栄養状態のおそれの把握調査の実施(次年度に継続)を目的とした。
研究方法
Ⅰ.無作為抽出の2,826施設に対する前年度と同様に郵送調査法によるアンケ-ト調査、Ⅱ. 130施設の常勤管理栄養士に対する3日間の自記式業務時間調査、Ⅲ. 65施設のNCM関連帳票296件の分析、IV.通所サービス事業所名簿から無作為抽出された5,667事業所へのアンケート調査、ならびにV.無作為抽出した介護支援専門員700名を通じて利用者24,500人を対象とした郵送調査法によるアンケ-ト調査を行った。
結果と考察
Ⅰ.「時間外業務の増大」を課題とする施設が改正1年後に比べて減少し、NCMの各手順の実施割合が増大したが、入所栄養スクリーニング時の低栄養状態のリスクの把握割合や3ヵ月後の改善割合は同様であった。Ⅱ. 介護保険施設におけるNCM業務の効率化のためには、NCMに関わる運営や給食管理業務に関わる委託側との業務分担、献立作成体制や手順の見直し、関連帳票の削減が検討課題であった。Ⅲ.利用者の体重改善には、エネルギー摂取量の増大に有効な栄養ケア計画の作成が課題であった。Ⅳ. 栄養改善加算や栄養マネジメント加算を取得していない通所サ-ビス事業所において、管理栄養士が低栄養状態の把握や利用者・家族との相談、栄養問題への対応を行っていた(継続)。V. 居宅サ-ビス利用者の低栄養状態のおそれの把握のためにアンケ-ト帳票類の収集を行い、次年度に集計・解析作業を行った(継続)。
結論
以上の結果から、介護保険施設におけるNCM事業の改善すべき課題が明らかになったので、研究によって作成されたNCM業務評価手法を活用した改善課題の明確化と解決のためのマニュアルを作成することができる。一方、居宅サ-ビス利用者に対するNCM事業については、さらに次年度に課題を明確にし、後期高齢者医療制度との連携も含めて検討する。

公開日・更新日

公開日
2008-07-24
更新日
-