効果的な介護予防ケアマネジメント技法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200718025A
報告書区分
総括
研究課題名
効果的な介護予防ケアマネジメント技法の開発に関する研究
課題番号
H18-長寿-一般-014
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
辻 一郎(東北大学大学院医学系研究科社会医学講座公衆衛生学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 出江 紳一(東北大学大学院医学系研究科機能医科学講座肢体不自由学分野)
  • 小坂 健(東北大学大学院歯学研究科国際歯科保健学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
16,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
介護予防サービスの効果をさらに上げるための技法を開発することを目的に、介護予防ケアマネジメントと口腔機能向上のあり方について検討した。
研究方法
1) 介護予防サービス利用者における予後予測システムの開発:東北地方の9ヵ所の地域包括支援センターで介護予防ケアプランの作成対象となった者723人について、要介護認定度・心身機能・基本チェックリスト点数・介護予防サービスの利用状況などを定期的に調査して、その推移を検討した。
2) 介護予防ケアマネジメントに対するコーチング技法の応用:横浜市のすべての地域包括支援センターに勤務する保健師112人にコーチング研修を行って、その効果(コミュニケーション自己評価・利用者の満足度など)を評価するランダム化比較試験を実施した。
3) 口腔機能向上プログラムと医療との連携:仙台市A地区における基本健康診査受診者のうち65歳以上の238人を対象に、歯科医師による口腔内診査を実施し、基本チェックリスト成績などとの関連を検討した。
4) うつ状態と要介護認定リスクとの関連に関するコホート研究:仙台市内の地域高齢者927人に抑うつ状態・心身機能などを調査してから3年間にわたって介護保険認定状況を追跡した。
5) 倫理上の配慮:上記の研究全てが所属施設の倫理委員会で承認されている。

結果と考察
1) 介護予防サービス利用者における予後予測システムの開発:基本チェックリスト得点の改善は、女性・要支援2レベル・同居者のいない者・GDS得点11点以上の者・HDS-R得点21点以上の者で多いことが分かった。
2) 介護予防ケアマネジメントに対するコーチング技法の応用:コーチング研修を受けた保健師ではコミュニケーションの自己評価得点が改善した。今後、保健師の自己評価の推移、利用者満足度との関係を解析する。
3) 口腔機能向上プログラムと医療との連携:基本チェックリストの自己回答は、口腔内診査の所見や歯科医療ニーズと必ずしも一致しなかった。
4) うつ状態と要介護認定リスクとの関連に関するコホート研究:うつ状態の重症度とともに介護保険認定リスクが上昇した。その関連は男性で顕著であった。

結論
介護予防サービスの効果が期待できる利用者の特性を絞り込めることが示唆された。コーチング技法を介護予防ケアマネジメントに応用することの有効性が示唆された。高齢者の歯科医療ニーズを評価する質問票の開発が求められる。

公開日・更新日

公開日
2008-07-24
更新日
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