臨床医の臨床実績の記録・評価システムの研究開発

文献情報

文献番号
199700322A
報告書区分
総括
研究課題名
臨床医の臨床実績の記録・評価システムの研究開発
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
信友 浩一(九州大学教授)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 健康政策調査研究事業
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
-
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 臨床医の学術的実績を記録・評価する社会システムはあるが、臨床医の臨床医たる臨床実績を記録し、人事(配置・昇格・診療範囲設定等)に反映させるシステムはない。その為に、臨床医の苦労は報われることが少なく、臨床医としてのゆとりや即応も減りつづけ、結果的に、患者の話を聴かない、説明しない等が多くなり医療への不満・不信・恨みが生じてきていると思われる。従って、このような医療への不信を小さくするためのひとつとして、苦労する臨床医が報われるシステムを研究・開発することにした。
研究方法
1.医療への不信の原因を探る医療提供者ではない人達によるフォーラム「信頼に値する医療の確立」とそれを聴く医療提供者の反応を知ることによって原因を探り、臨床医の適性人事の位置づけを試みる。
スピーカー;小川和久(軍事アナリスト)・米本昌平(バイオエシックス・科学史)・北山修(教育学部教授)・渡辺俊介(論説委員)・R.J.Coffey(ミシガン大学部長)
聴衆:主に九州・関西・東京の医療提供者・医療関連事業者
2.記録・評価システムの運用経験をもとに。
同システムを運用している国内の病院リストはないが、システムをつくり運用している方々を集め、日本の医療風土になじむシステムのあり方を集約する。
3.同テーマに関わる文献をレビューする。
結果と考察
結果=1.不信の最大の原因
1)医療への不満・不信は制度・仕組みが悪いから、としか医師は言わない。自らすぐできることでもしない。
2)すぐできることのひとつは、「患者に気をつかう」ことである。例えば、患者は何を知りたいのか、何を求めているのかを察すること。
3)察することができない人が、3/1ぐらいはいるだろう。
4)聴衆の反応;納得できる。明日からどうしたらいいかが分かり勇気がでてきた。
2.記録・評価システム
1)評価することによって
(1)診療範囲を設定し、公示する。
(2)主治医権(入・退院の判断他)の附与
2)記録は臨床研修担当者(ひとり)がとる。
3)さらに、医師以外の他職の業務日誌・記録を参照する。
3.文献レビュー
20編
考察=現段階での考察
仮説としていた「患者の話を聴かない、説明しないことが医療への不満・不信の源である」ということが確認できた。それを適切な医師人事を行うことによって、不満・不信が減少していくかは、追跡調査がされていない為に、不祥。ただし、医師間の不満・不信は減少したという。従って、今後は、介入試験のかたちで仮説を検証していくことが必要であろう。
結論

公開日・更新日

公開日
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更新日
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研究報告書(紙媒体)